ボーカロイド大好きです! ちょこちょこ小説を書いています! (作詞にも手を出してみたいけれどチキンでなかなか……笑) 読んでいただけたら嬉しいです!
プロフィールを見る投稿作品20作品
もっと見る-
寒さにかじかむ手に息を吐きながら、
大量の本を別教室へと運ぶ作業。
何故か私1人だけで作業を進めていて、
いよいよ愚痴がこぼれそうだったそんな時。
図書室のドアがゆっくりと開いた。
先生が来てくれたのかと、ぱっと振り返ると
そこにいたのは蓮くんだった。
視線がばちっと合い、
刹那ののち気が付いたよう...good-bye diary Page:4
-
それまで同じクラスになったこともなく、
一学年当たりの人数が多かった私の学校では
同学年にどんな子がいるのか
全てを把握することは難しかった。
だからこそ、彼と出逢えたのは、
彼と親しくなることが出来たのは
とても素敵なことだった。
鏡 蓮(かがみ れん)。
それが彼の名前だった。
同じクラスである...good-bye diary Page:3
-
あの時の私は幼すぎた。
自分のことばかりで、周りなどちっとも見えていなくて
君のこともきっと、よく見えていなかったのだろう。
だからこそ、今になって分かる。
私は君に恋をしていた。
それはどこにでもあるような、きっと普通の恋。
恋愛小説に出来るようなドラマチックなものでも、
歌に出来るような素敵なも...good-bye diary Page:2
-
今でも思い出せる。
あの桜の匂いと、温かく肌に触れる日差し。
そして、叶うことのなかった初恋。
これは私の過去のお話。
ふと、街中に懐かしい音楽が流れる。
何の曲だっただろうか?
CMソング?ドラマの主題歌?
それとも……。
そんなことを考えていたら、携帯が震えた。
画面を確認すると中学からの友人で...good-bye diary
-
今日も 開く 秘密 のドア
わたし だけの 夢の 世界
そこは まるで おとぎ の国
全て描いた とおりになる
まだ 内緒 バラし ちゃダメ
オトナ になる 時が 来ても
胸の 奥の 甘い 気持ち
ずっと感じていたい
ふわり 星が 飛んで いく
流れてく...トロイメライ
-
放課後のチャイムが鳴り響く
校庭駆けてくキミ
「バイバイ」の一言が言えず 飲み込んでしまう
友達とかわす笑顔眩しくて
それはまるで太陽みたい
遠くから見てるだけのあたしは 負けたような気分よ
こんなにもどかしい気持ちなんて
あたしの心を惑わせるだけ
だからだからだからダーリン!
はやく抱きしめに来て...relation cannon(リレイションカノン)
-
ひとりきり 雨の中
つぶやいた サヨナラは
背を向けて 歩き出した
あなたには 届かない
びしょ濡れで 立ち尽くす
悔しくて 言葉もない
堕ちてゆく 感情は
灰色に 螺旋(ループ)するわ
Ah… 戻れない
わかってるのよ そんなことぐらい...Departure
-
あれから、1年の月日が流れた。
あの事故はしばらくニュースでも取り上げられ、話題になったが
半年もすると、人々は興味を失い、自然にどのメディアからも消えうせていった。
僕は、研究所を立て直すチームの一員となり、研究所の
再生を目指してがんばっていた。
そんな、ある日のことだった。
研究所に、客人...炉心融解 ~melt down~ 13 -another story-
-
「私は……間違って生まれてきたんじゃないって……
言ってくれる……?」
リンは、泣いていた。
それは、両親が死んだとき以来見たことのない、
姉の泣き顔だった。
リンはこれまで、自分に辛い部分を見せないようにと
無理して笑って過ごしてきたんじゃないか。
そう思ったら、リンの弱い部分を受け入れるこ...炉心融解 ~melt down~ 12
-
長い長い螺旋階段の終わりにあるのは、
どこにでもある普通のドア。
でも、この先にいるのは、どこにでもいる訳じゃない、
僕のたった1人の家族だ。
レンは、走ってきた勢いでドアを開けた。
「リン!!!!」
そこには……誰もいなかった。
「何で……、リン!?」
レンは慌ててあたりを探す。...炉心融解 ~melt down~ 11
-
「リン、待ってて。今行くから」
レンは、目の前に聳(そび)え立つ螺旋階段を見上げてつぶやいた。
リンは、ガラス越しに青く輝く光を見つめていた。
私は、何のためにここまでやってきたんだろう。
大事な弟を傷付けるため?
ううん、違う……。
私は、守りたかった。
レンと過ごした時間や、思い出や、すべて...炉心融解 ~melt down~ 10
-
あの恨みも、核融合炉ごと吹っ飛ばそうというのか。
鏡音リン、私はどうやらお前を見くびっていたようだ。
所長は、携帯電話を取り出した。
発信先は……鏡音リンであった。
コール音が何度も鳴る。
次のコールで諦めようと思った、その時だった。
「……はい、こちら鏡音です。
何の御用でしょうか?所長」
リン...炉心融解 ~melt down~ 9
-
青白い光がいっぱいに広がる。
融合反応が始まったみたい。
それでいい。
私は、ライトテーブルに向かい、再び操作する。
打ち終えた瞬間、天井にあるハザードランプが赤く光り回転し始めた。
「核融合炉、臨界点に達します。
研究員はただちに待避してください。
繰り返します……」
機械的な声が、何度も危険...炉心融解 ~melt down~ 8
-
僕は、こんなお金なんか要らない。
リンといたいんだ。
リン、どうして?
リンは僕が嫌いになったの?
僕は、もう一度リンに逢いたいよ……。
僕はひたすら勉強した。
リンに逢いたくて。
もう一度、あの生活をリンと送りたくて。
2年の月日を要して、僕はようやくこの研究所に入所することが出来た。
リンが勤め...炉心融解 ~melt down~ 7
-
リン、お願いだよ。
戻ってきてくれよ。
僕は、君を失いたくない。
僕ら、2人きりの家族だろ?
君だけが、君を守ることだけが僕の生きる理由だというのに。
……君が、核融合炉に飛び込むというのなら僕もそうする。
僕らは、運命共同体だ。
そうだろ、リン。
「レン、レン」
「何?ねーちゃん」...炉心融解 ~melt down~ 6
-
そう、これでいいの。
何もかもが許される。
私がしてしまったこと。
今、私の目の前にあるこの融合炉は私が生み出したもの。
「地上の太陽」なんて呼ばれた「これ」はそれこそ大きなエネルギーを生み出した。
無限に近い、巨大なエネルギーを。
しかし、代償は大きかった。
初めの頃は、事故が多発して消えていった...炉心融解 ~melt down~ 5