「リン、待ってて。今行くから」
レンは、目の前に聳(そび)え立つ螺旋階段を見上げてつぶやいた。
リンは、ガラス越しに青く輝く光を見つめていた。
私は、何のためにここまでやってきたんだろう。
大事な弟を傷付けるため?
ううん、違う……。
私は、守りたかった。
レンと過ごした時間や、思い出や、すべて。
私が、ここにいたこと。
あの子なら、きっと許してくれると思ったから。
両親を亡くしてから、2人でがんばって生きてきた。
どんな時でも、レンは私を必要としてくれた。
だから、私はここまでがんばって生きてこられたんだと思う。
レンを1人にしてしまうのは、卑怯かもしれない。
でも、これが私の選んだ道なの。
「核融合炉(これ)」も、「私」も消えてなくなるのが
この世界にとって一番なんだよね?
もう、大人だもの。
自分の始末ぐらい、自分で出来るわ。
私は、この世界にとって余分な歯車だったの。
父さんや、母さんには申し訳ないけれど……
私は、レンを置いて逝くことにしたから。
向こうじゃ、逢えないかもしれない。
でも情けなくて、きっと顔なんか見せられないわ。
さあ、融けて消える覚悟はできた……?
螺旋階段は思ったよりも長く、体力の限界が徐々に近づいていた。
リンがこんな階段を上りきることが出来たなんて、
正直、レンには信じられなかった。
そこまでして、消えたかったのか?
僕をおいて、いなくなりたかったのか?
リン、答えてよ……。
そう思ったとき、螺旋階段の終わりを告げる光景が飛び込んできた。
起動室の、ドアだった。
核融合炉には、ひとつだけ扉がついている。
扉は融合炉の上部に設置されており、点検の際に使用する。
そのため、扉から一直線に橋が出来ていて、
通常はそこから梯子をおろし、点検をする。
反応を起こしている間は開けられないように、
コンピューターの方でロックがかかっている。
しかし、リンは、そのロックを
容易に、解除してしまった。
ガチャ
ロックが外れる音がした。
リンは、たったひとつの扉に、手を掛けた。
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