僕が7つの時にやってきた
蛇と十字のエンブレムつけた
その真っ赤なクルマを得意げに
自慢してた親父の顔 覚えてる

最初は隣町までドライブ
コンビニで買ったソフトクリーム
帰り道の夜空 朧月
カーラジオから流れてた Oasis

僕には冒険だったんだ
このクルマが向かう先 どんな場所でも
海沿いの道を今日も走っていた
紺碧の空 夏の午後

18で初めて親父 乗せて
ハンドル握った秋晴れの道
駐車場で焦る僕を見ては
隣の席 苦笑い

彼女とドライブしたクリスマス
イルミネーションも洒落たディナーも
今ではほろ苦い思い出さ

大人になって一人暮らし
高層ビルを見上げて思い出すのさ
親父のクルマから見てたあの空を
遠く離れたあの場所を

ふるさと帰ると
 <景色も変わり>
親父は寂しそうに
 <ガレージの中>
もう免許はないと
 <年老いたその手で>
僕にキーをくれたんだ

今すぐ二人で出かけよう
これからはハンドルを僕が握るから
海沿いのあの道を走り抜けよう
自慢の真っ赤なクルマでさ

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

【過去応募作】アルフィスタ

ロカルツP様の歌詞募集楽曲のための歌詞です。
https://piapro.jp/t/vf5C

今回は「こだわり」というテーマでしたので、クルマにこだわりのある親父と少年(主人公)のストーリーとしてみました。子供の頃からずっと一緒だったクルマということになるので、やはり同じようにこだわりというか思い入れは強くなるんじゃないかな、とか、そんなことを考えながら書きました。
クルマはアルファロメオをモデルとしています。熱狂的なファンが多いメーカーなので、テーマにもあっているかと思っています。

ちなみにボカロP(作詞家)としての私自身のこだわりは、歌詞から具体的な情景や場面を想像できるようにすることです。楽曲を通じて見えてくる風景から登場人物の心情が感じられるような、そんな歌詞を書きたい、それが私のこだわりです。

以下に、タイトル及び歌詞についての説明をまとめました。

■アルフィスタ(Alfista)
アルファロメオ(イタリアの高級自動車メーカー)のファンのこと。アルフィスティ(Alfisti)とも言う。

■蛇と十字のエンブレム
アルファロメオのエンブレムのデザインを表している。

■出てくる車
1992年発売の「アルファロメオ 155 2.0 ツインスパーク」をモデルとしている。日本仕様車は5MT左ハンドル車のみ。赤はアルファロメオのイメージカラー。

■Oasis(オアシス)
1990年代に人気のあったイギリスのロックバンド。

■「もう免許はない」の意味
ラスサビ前の「もう免許はない」というのは、高齢により自主返納したということを指している。

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投稿日:2021/07/04 17:50:59

文字数:446文字

カテゴリ:歌詞

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