曲づくりの考え方というのは小説、特になろう系とかに似てると考えています。
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冒頭で、導入のしやすさからだと思いますが「青く広がる海が」とか「舞い散るきれいな花びらが」など、情景描写から表現された作品が数多くあります。
※特定の作品を指したわけではないです
作品世界に引き込むためにはある程度は良いとは思いますが、冒頭の情景描写が長いというのはあまり好ましくありません。
なぜなら、多くの視聴者というのは「早く作品の主張に触れたい」のであって、美しい情景描写を楽しみたいわけではないからです。さらに言えば、「海が青く広がっている」のも「舞い散る花びらが美しい」というのも、一般的に周知の事実です。作品世界に引き込むための素材としては少し弱いかなと思います。
これが「赤い海」とか「醜い花びらが」とかだったら、視聴者としては「なんでだろう?」と興味を持ってくれるかもしれませんが。
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さらにさらに言えば、「海が青く広がって見えた」「舞い散る花びらがきれいに見えた」だけだとただ事象を説明しているだけです。主人公のキャラクターを説明するための一文としても弱いかなと。
「青い」⇒清涼感、神秘的、穏やか、冷たい
「広がって」⇒自由、解放、雄大、浸透
「きれい」⇒光る、色鮮やか、豪華、高価 など
使える文字量も限られてますから、言葉が与えるイメージを有効活用してキャラクターを説明したいものです。
そこまで深く考えなくても、「青春の詞だから夏っぽく舞台は海辺で…」とかでも良いとは思いますが、とにかく、分かり切った情景描写はできるだけ少なくした方が良いと考えています。世の大多数は詩とか詞に慣れ親しんだ人間ではないので、あまり退屈させない方が得策です。
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情景描写が長くなる原因は、物語になっていないというのにもあるかもしれません。
例えば「失恋ソング」というだけだと大枠すぎて書きにくいんじゃないでしょうか。
「別れた恋人の幸せを願う歌」
これでもまだ設定のままです。
仮にMVでも作ろうとした時、どんな映像にするか困るんじゃないでしょうか。
「恋人の幸せを願う歌を歌おう」と主人公が考えたきっかけがあると思います。
そこに物語性が生まれます。
ex:
「花を飾ったマグカップ」
「飲み物を注ぐことはできないけど、大切に花を飾っている」
「なぜならそれは別れた恋人が残したものだからだ」
「唇はつけられない~…」
みたいな感じにすれば、
歌い出しから延々と情景描写が続いてしまう事態は避けられるかもしれません。
いざMVを作ろうという時にも、マグカップを象徴的なアイテムとして使用できそうです。
別れた恋人を思い出すきっかけは千差万別だと思います。
「アパートの階段を上っている時」
「映画の予約をする時」
「テレビのリモコンを手に取った時」などなど
皆が興味を抱くのは、
別れた恋人がどんな人物だったのかとか、
主人公がどんな人物なのかとか、
ましてや目の前の景色がどうか、
などよりむしろ「主人公がなぜそう思ったか」だと思います。
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「君には幸せになってほしいんだー」と、そのまま歌っても悪くはないですが、
少し幼いというか、ギャグっぽいと捉えられてしまう危険性だってあります。
文字数を稼ぐのにも苦労しそうな予感がします。
中学生時代にこっそり書いたラブソングがどーにも恥ずかしく感じてしまうのは、
そういうのもあるんじゃないでしょうか。
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確か写真の勉強してた時だったと思いますが、「日の丸構図はやめなさい」と教わった記憶があります。
「日の丸構図」というのは、被写体を写真のど真ん中におさめる撮影のことです。
専門的なことはもう忘れてしまいましたが、今にして思えばこれも「ストレートすぎるのは良くないよ」ということじゃないかなと思ってます。
証明写真が最たる例です。顔立ちは鮮明に判別できますが、人となりはほとんど分かりません。情報量が少ないということです。
仮に、まったく知らない人の証明写真に好きな背景をつけようとしてもかなり難しいでしょう。それこそ、美しい森林や青空の画像でも貼り付けることになると思います。
そうです、不要な情景描写です。
その人らしいポーズやアングル、表情、ロケ地、小物、いろいろ工夫した方がマシです。
歌詞探しで思うこと2
「私はこういう探し方してますよー」という内容であって、
決して「こうじゃないといけない」というわけではないです。
特に最近のボカロ曲はこういうパターンじゃないのも多いんじゃないでしょうか。
私にはそれは難しいです。。
※恥ずかしくなったら消します
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