雨はまだやまないで
まどのそとをぬらすばかり。
ぼくらの中の胆石を
押し流すには至らない。
いたずらなテディ。
どうぞぼくらの日記帳を
雨の元にさらしておくれよ。
きっとそのうち文字たちは
流れて逝ってくれるだろう。
水性ペンの小さな文字に
何の意味もないことくらい
今だって分かる。
ぼくらの寝息と吐息と
ああ この部屋の空気
混ざり合ってしまうんだ。
湿気をおびた居心地悪い
この中にぼくら生きて行くんだ。
新しいまっさらのリングノートは
ガラスケースに入ったままで。
雨がやむまで。
虹を見るまで。
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