彼女に走った痛みが 幸せを遠ざけていった
見上げることに疲れた彼女は下を向く
足元のそれにすら 気づかないまま
冷たい風が彼女の頬をなでる 目に溜まった水は
やがて落ちて消えていく
憎しみは歪な愛のカタチだと 無理やりに納得して
嬉しくないのに笑みをこぼす
もう涙はかれたかしら 頬をつたう水は
紅く染まる
少女が水を流すたび 不幸が近づく
逃げることは疲れたと少女は座り込む
すぐそばのそれに まだ気づかない
抱き上げられる感覚が愛を感じる でも疲れたよと
彼女は一言呟いて目を閉じる
サヨナラと聞こえたら音が響いて 彼女が壊れる
それは愛なのか優しさなのか (正しいことなのか)
知る時間もなく
彼女はどうして ここにいたのか
知るのは足元の生みの親 人形師の男
「サヨナラ」
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