「やだ、怖い…」
「包帯ぐるぐるじゃない…」
街を歩くとみんな僕を怪奇の目で見てくる。
僕はいらないVOCALOID(機械)なのだろう。
みんなの視線が物語っている。
「KAITO、荷物持ってきてー」
「はい、マスター!」
普通、VOCALOIDにはマスター(管理者)がいる。
僕だって、エラーさえ起こらなければあんな風な普通のKAITOだったはずだ。
マスターもついて、楽しく買い物が出来たはずだ。
どうして。
どうして、僕だけが“帯人”になってしまったんだろう。
すべては、開発者のせいだ。
エラーをさせたのは開発者であり、僕は悪くない。
サミシイ。
ナンデヒトリナノ?
ナンデ―――イキテルノ?
存在意義がわからない。
僕は、店にあった包丁で自分を傷付けた。
周りは女性の悲鳴と店員の走る音が聞こえた。
「救急車!!」
「待って、これVOCALOIDじゃ…」
「じゃあ早くマスター呼んでこないと!!ねぇ、マスターはどこにいるの!?」
「……いません。マスターなんて、いません。」
「え…?」
「僕はもう大丈夫です。」
「あっ…」
心配してくれた。
それが物凄く嬉しくて。
僕の身体の傷は増えた。
まだその傷からは紅い液体が流れている。
僕は、生きているのだ。
悲しくはない。
けど、まだ寂しい。
怖くはない。
けど、痛い。
心が痛い。
「僕は、存在してていいのかな?」
紅い液体を拭き取り、紅く汚れたハンカチを仕舞った。
fin.
コメント3
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ご意見・ご感想
日枝学
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自傷きたあああああうわああああああ!!(※おい
はいすいません、こういう読み手にうわあああああって思わせる要素のある作品好きです
GJ!
2011/07/01 23:33:40
魔熊
ご意見・ご感想
帯人可愛い!
帯人の存在は、すごい影響を与えてるのに…
禀菟の言う通り、帯人はいなくなっちゃ駄目だよね!!
私もヤンデレ書こうかな。
ヤンデレの書き方が未だに分からんけど…(-_-;)
2011/07/01 17:56:54
檸檬飴
ご意見・ご感想
やべぇ…帯人の可愛いさハンパないO(≧▽≦)O
ヤンデレ…ホントイーわ(^q^)
私がマスターになってあげる!
いや…マスターにさせてください!
文才羨ましいな…(´・ω・)
何気にコメ長めww
2011/07/01 17:31:37