「・・・ルカ?」
私があまりにも無表情だったのが怖かったのか、レンが心配そうにしていた。
「どうしたの?」
「ううん。何も」
「あ、そう・・・?」
レンが私の背後に、何かを見つけたように視線をやった。
振り向くと、意外な人物が立っていた。
「ミク?」
初音さんだった。
初音さんは私と目が合うと一瞬怯えたような目をしたが、すぐに口を結んで、話があるの、と言った。
「え?俺に?告白とか?」
「違う。巡音さんに話があるの」
「私に?」
彼女が私に何の用事があるというのだろう。
「それよりレン君、リンちゃん達が探してたよ」
「マジ?・・・じゃあ、俺行くわ。バイバイ」
初音さんのいつもと違う雰囲気に、レンは焦っているような気がする。
レンはそそくさと、鏡音さん達を探しに行った。
「話って、何?」
いつもオドオドしている(少なくとも私のイメージではそうだ)初音さんが、今日は強気の姿勢なので何を言われるのか緊張した。
「あの、」
初音さんが私の顔を見て、また口を結んでそれから大きく息を吐いた。
「レン君のこと、弄ばないで」
「・・・・」
もてあそぶ?
私が、レンを?
『浮気女』
グモの言葉と、初音さんの言葉が重なる。
「巡音さん、他の男子からも告白されてるでしょ?なのに、それなのに返事もしないで・・・レン君だけじゃなくて、他の男子との擬似恋愛体験を楽しんでる」
「そんなつもりは」
「あなたにそのつもりが無くても、私にはそう見える!!」
初音さんの怒鳴り声に、私は驚いて指も動かない。
「レン君は私の大切な友達なの・・・友達が辛そうにしている所とか、見たくない・・・・」
「友達?」
もう一人の私が口を開く。
「本当にそうなの?」
(そうだよね)
「大切な友達?本当に?そんなの表面だけでしょう?」
(大切な友達。そうだよね。レンは初音さんの大切な友達)
「あなたはレンに悪い虫をつかせたくないだけでしょう?だから、私にそんな事言うんでしょう?」
(ごめんね。私、レンの気持ちや他の人の気持ち、考えないで)
「素直に言えばいいじゃない。でも、無理?そうよね、だってレンは私の事が―」
パシッ!
冷たい校庭に響く、乾いた音。
「あなた、人じゃない!!」
初音さんが泣きながらその場にしゃがみこんだ。
私は家に帰ろうと、校門を出た。
右の頬の熱を、冷たい風が冷ましていく。
校庭から、大丈夫、などという声が聞こえた。
嫌われたほうがいい。
こうでもしないと私は、周りの人に甘えてしまうから。
一人がお似合い。
だって



私は、嫌われ避けられ続けた『女王』だから。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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ボカロ学園!83

お久しぶりです(´▽`*)
ルカちん久しぶりの女王フラグ・・・!

閲覧数:306

投稿日:2011/11/09 20:35:45

文字数:1,083文字

カテゴリ:その他

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