ひどく色褪せた雨の匂いは
私を巻き添えにして過去に泣く
恐れをなした色彩を盾にして
頭を垂れたまままるで石みたい

衝撃を与えてみれば良いんだ
水は氷になって氷は水になる
分子結合の脆さは私と同じだ
完全な栄養で神経節をもぐ

ひとつだけただひとつ残念なのが
見届ける術を知らないってこと
万感の夜凪を背にしてお悔やみ申し
焼きたてのクロワッサンをひと皿

どうやら少しだけ音声のトラブル
なにを言われたって気にしないでね


いやに咽び泣く風の家来は
私を付き添いにして嘘に沸く
恐れを知らぬ博才を質に入れ
箒に乗ったまままるで人みたい

正直に知らせてみれば良いんだ
人は星になって星は人になる
粒子測定の稀有さは私と同じだ
漫然な整合で結合則を剥ぐ

ひとつだけただひとつ残心なのが
見繕う意図を知らないってこと
門前の夜伽を手にしてお届け通知
干したての掛け布団でひと泣き

どうにも形だけ高速のアジャイル
誰に言われたって気にしないよね


血管に張り巡らされたコンデンスミルク
甘くなった血圧で愚痴も言えなくなって
終わりを待つために目をキラキラさせてる
この街で星を見ることはもうできないのに

アセトンの匂いが漂って駆けつけても
虚ろな瞳のままでなにを燃やそうか
安全な人生は誰だって送れないの知った
危険な感性は誰だって笑えないの痛った


変に泣きじゃくる恋の支配は
私を道連れにして骨に効く
あの日を知らぬ本懐を箱に詰め
話を盛ったまままるで犬みたい

観測をやらせてみれば良いんだ
キスは君になって君がキスをする
吸気行程の秘事さは私と同じか?
迅速な圧縮で燃焼論を研ぐ

ひとつだけただひとつ核心なのは
見違えた君を知らないってこと
混沌の夜闇を真に受け寿ぎデート
噛みたての風船ガムをひと口

どうして気持ちだけ混線の絡まり
君に言うんだっけ?気にしたんだっけ?


月を眺めながら見ている夢は今も
真昼のように暖かくて答えを亡くす
あぜ道を見失って落ちてく底なし沼
代わりの泥人形さんよろしくお願い


ひとつだけただひとつ残念なのが
見届ける術を知らないってこと
万感の夜凪を背にしてお悔やみ申し
焼きたてのクロワッサンをひと皿

湯気のたつモカエキスプレスからは
丹念に蒸されて強く香る汚泥にも似た
喉に放り込んでしまえば目が覚める
恋をしていた夢に気づいた朝のように


夢だったんだ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

アセテルレイン

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投稿日:2024/12/01 22:51:55

文字数:1,010文字

カテゴリ:歌詞

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