注意!!

この小説は百合物です。(ルカミク?)
以前書いた「magnet(磁石)ヨーツベPV勝手に解釈」の番外編、ルカ視点になります。
現時点で最後まで書き上がってない上に、かなり長編になりそうな小説です。

正直続くか分かんないw

それでも許してやるよ、って方はどうぞ下へお進みください。

無理無理って方はバックプリーズです。


一応前置き。
この小説は流星(minato)P様の「magnet」、それをPVにされたsyllogysm
様の動画を勝手に解釈して書いた作品です。

















神威は上手く作ってくれてるかしら?
ミクにはいつ本当の事を話そうかしら?
茫洋とした意識の中、考えたい事、考えなくてはいけない事が浮かんで沈んでいく。

特別棟への移動中の最中、後ろから駆け足のような足音が聞こえた。
「おい、巡音」
私は敢えて振り向かずに返事だけする。
「あら、神威」
「完成した。頼まれた物は完璧だぜ」
そう言いながら私の腰に腕を回してくる。
「ホントに!?思ったより早いじゃない」
腕をさり気なく抓りながら怒りの篭った笑顔を向けた。
「それは良いけど・・・ちょっと、放してよ」
「相変わらず良い腰つきをしておられる」
「冗談っ・・・」

気付かなかった、気付けなかった。
その最愛の人が後ろから私達の遣り取りを見ていたなんて・・・

血相を変えたミクが私の腕を掴んできた。
目の前の大きなエメラルドグリーンの瞳は涙で潤み、今にも溢れ出そうだった。

「消えないで」

そう言われた気がした。
そして口づけ。暖かなミクの体温が唇から伝わってくる。
落ち着く私だけの温度。


そして音が消えた。

思ったより早く「終わり」は来てしまったらしい。
彼女を不安にさせてしまった私のミスだ。仕方がない。
でも、彼女を泣かせたくはない。
だから、残された彼女との時間を私は笑顔で過ごしたい。

唇が離れ、困った顔をしたミクが現れる。
「バレちゃったね」
「ごめん・・・」

私は上手く笑えただろうか?

『キーンコーンカーンコーン』
廊下に響いたチャイムが周りの生徒を現実へ戻したらしい。
野次馬のように見ていた生徒達は皆散り散りにそれぞれの教室へ向かって行った。

その日のHR後、担任教師から呼び出され生活指導を受ける事になった。
ほんの少し親に連絡せずに終わらせてくれないかな、と淡い期待を抱いたけど勿論その期待が叶えられる事などなかった。
そして、罰。
『巡音ルカ・初音ミクの両名は2週間の自宅謹慎後、初音ミク卒業まで校内・外での二人の接触を禁ず。』

校内は分かるけど、何で外までダメなのよ。
そんな文句が喉から飛び出そうになって急いで口を噤んだ。
不純同性交遊ってだけで目尻を痙攣させているこの指導担当教師にそんな油を注いだらどうなってしまうか・・・
そんな事を考えて不謹慎にも少し笑いそうになってしまった。

親が国内に居ない私は担任教師に自宅まで送られるらしい。
その為、その教師が業務を終了させるまで空き教室で自習するように言われた。
テキストとノートを広げてはいるが、勿論手に付くはずがない。
シャーペンの芯を無駄に長く押し出しては引っ込める。

『カチカチカチ・・・・』

ミクは大丈夫だろうか?

『カチカチカチカチ・・・』

泣いていないだろうか?

『カチカチカチカチカチ・・・』

こんな事になるなら越えてしまえば良かったか。
頭の中はミクの事で一杯だ。
会いたい。会いに行ってしまいたい。
『コンコン』
どれ位時間が経過したのか分からない。
遠慮がちに響いた小さめのノックに浅葱色のツインテールをドアの擦りガラス越しに探してしまう。
しかし入ってきたのは私を送る為に仕事を切り上げてきた担任教師だった。
帰り道は教師が一方的に話し、私は適当に相槌を打つだけだった。

「じゃあちゃんと戸締りするのよ」
在り来たりな言葉を残して担任教師は去っていった。
扉の鍵を閉め、学生鞄を投げ出し思わず座り込んでしまった。
「はぁぁぁぁ・・・」
肺の中の空気を全て出し尽くすかのような長い溜息。
たった数時間で変わってしまった私達の環境。
不思議と涙は出なかった。

『ピリリリリ、ピリリリリリ・・・・』
どれ位そうしていたんだろう。
突然響いた耳障りな電子音に思わず身体を振るわせ立ち上がった。
家の固定電話がディスプレイを光らせて着信を告げていた。


『両親』


その文字に僅かな恐怖を覚えた。
何を言われるだろう。何をさせられるのだろう。
これからどうなるのだろう。
出ない訳にはいかない。
出ずに終わるなら終わって欲しい、でもそんな事をすればどうなるか・・・
少し躊躇いがちに受話器を取った。
「もしもし・・・」
「ルカか?久し振りだな」
「お久し振りです」
懐かしさすら覚える父の声に脅えずにはいられなかった。



ねぇ、ミク。
助けて・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

magnet(磁石)PV勝手に解釈【番外編】~4~

お久し振りです、倉人です。

随分と時間が空いてしまいました。
最近は仕事が忙しい上に少しスランプになってしまい、更に体調を壊すという悲劇に見舞われておりました。
スランプ中に書いたものを少し修正しただけなので、今回はかなり雑な書き方になっているかと思います。

人の想いを文字にするのは矢張り難しいですね。
言葉にするのが一番大変だと思いますが。
想いを表現するのはどれだけ語彙があっても知識があっても足りない気がします。

因みに既に本編を越える文字数になっております。
ルカへの愛だけを頼りにこのまま突っ走ってしまいたいと思います。
まだまだ続きそうですが、宜しければこのまま御付き合い下さいませ。

今回は間が開きすぎてしまいましたので・・・
本編1→http://piapro.jp/content/ui0swkqvkc1hqijv
番外編1→http://piapro.jp/content/mru9swxbhk3g970h

閲覧数:3,182

投稿日:2009/11/04 19:52:55

文字数:2,056文字

カテゴリ:小説

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