ガイア「やぁ、久しぶりだね。リン、レン」
リン「ガイア!いったいどうしたの?」
慌てて聞くリンにガイアは冷静に答えた。
ガイア「グラビティが大変なんだよ。急に龍が現れて…瞬く間にバウンドが殺された…」
リン「バウンドってこのデカイ奴の事?」
ガイア「ダメ!もう魔力がないよ!リン、話しは後だよ!今すぐ契約して!」
リン「しょうがないわねぇ。指輪は確か…これね」
リンは指輪をつけ、ガイアと契約を交わす。
リン「私は、地の精霊ガイアと共に運命を共にすることを誓います。ガイア、貴方は契約者の為に力を貸すことを誓いますか?」
ガイア「オイラは誓うよ。主と共に運命を共にし、主に力を貸すことを!」
ネル「なんかレン君とはちょっと違うわね。あれで本当良いの?」
レン「あぁ、契約は形はどうあれ契約したら良いからあれで良いんだよ。応え方は精霊によって違うし、契約する側によって違う、簡単に言えば個性だよ」
レンの説明にネルはなるほどと手を叩く。
ガイア「よし、契約完了だね。じゃあ今何が起こってるか手短に話すよ」
リン「ねぇ?ガイア、貴方ガーディアンも居ないし、グラビティを離れて大丈夫なの?」
ガイア「バウンドが死んだ以上、オイラにはリンの魔力が命綱だよ。だからグラビティはあまり関係無いから心配しなくても良いよ」
リン「って事は…」
テト「ミキが危ない!あいつまだグラビティで待ってるはずだ!」
ガイア「マズイね…」
リン「え?」
ガイアの呟いた一言にリンが反応する。
ガイア「あの龍、けっこう厄介なんだよね。殺しても死なないというか…すぐに再生するし。残念だけどミキって子はもう…」
その言葉に全員が怒りを覚えた、もちろんゲイルも一緒になってガイアの無責任な言葉に反応する。
真っ先に反応したのはテトだった。
テト「ミキは死なない!どんな龍か知らないけどさ…ミキの事何も知らないのに、勝手な事言わないでよ!」
ルコ「ガイア、ミキはそんなに柔じゃねぇぜ!知らないから言っておいてやるが…ミキはこの中で1番つぇよ。生身じゃ話しになんねぇが、それを補う程の武器、兵器をあいつは使えるんだ。あまりナメない方が良いぜ?」
リツ「私達の仲間をあまり侮辱しないでくれる!いくら精霊でも許さないわよ?」
ルカ「消されたいの?ウフフ…」
ルカの殺意に満ちた笑顔をゲイルが察知し、ガイアに促した。
ゲイル「ガイアよ…。そなたも解るじゃろ?人間は一人じゃ弱いが、皆が集まれば、その力は龍を越え、やがて神を越える。某ら精霊の固定された能力よりも進化する生き物じゃ。何より人間の絆は世界で1番強いよ…特にこの子達はの」
ガイア「ゴメン。オイラが悪かったよ…」
ガイアが皆に向かって申しわけなさそうな顔でこっちを見た。
カイト「あぁ、良いんだよ。知らなかったなら今度から知れば良いだけだ」
ガイア「人間って思ったより良い人だよね、ゲイルが人間の事好きなのが少しだけ解った気がするよ」
ミク「テトさんどうしたの?」
テト「ミキに連絡を飛ばしてるんだけど…全然返事がないんだよ」
テトが先程からミキに通信を試みるが、依然に連絡が取れない…
もしかして、最悪の事態が起きたのだろうか。
と、その時…テト達のインカムにミキの通信が入る。
ミキ「聞こえる?テトちん、皆?」
テト「聞こえるよ。どうした?」
ミキ「どうしたもこうしたも、グラビティで待ってたら急に龍が現れて襲わたんですよ!!」
ルコ「…!ミキ、その龍はこの前のアルデバランの用な奴だ。気をつけろよ」
ミキ「武器とかはタンマリ持ってきてた良かったけど…何なのこいつ?すぐに再生するし。ちょーウザいんですけど!」
リツ「ガイア、何とかなりませんの?」
ガイア「いくら精霊でも、出来る事は限られるし…地の精霊は地面に関係する事しか出来ないからね」
ハク「地面に関係…?あっ!」
ハクが何かを閃いたようだ。気になったルカはハクのもとに駆け寄り、何を思いついたのか聞いてみた。
ルカ「どうしたの?」
ハク「地面にしか関係するものしかダメな訳じゃないですよね?重力とか操れますか?」
ガイア「重力?出来ない事も無いけど…何をするの?」
ハク「簡易的なブラックホールを作るのはどうでしょうか?あれは、重力の塊みたいなモノですから…」
ガイア「確かに創るのは簡単だけどさ、一度入れば二度と出られないブラックホールを創るとなると、周りも当然吸い込まれちゃうし、飲み込まれたミキだって帰って来れるか解らないよ?」
ネル「ねぇ?ブラックホールって亜空間みたいなモノでしょ?」
ハク「簡単に言えばね」
カイト「テト…」
カイトがボソッと呟いた言葉にミクが何かを思いついたのか、指パッチンしてテトを指差した。
ミク「テトさんって武器とか亜空間から出してるよね?それを使えば良いんじゃないのかな?」
テト「僕のは取り出す事は出来ても、亜空間に入れる事は出来ないよ。僕の武器はミキに作ってもらった特別製だから出し入れ出来るけど…」
ミク「じゃあガイアがブラックホールでミキさんを吸い込み、テトさんがその亜空間からミキさんを取り出すのはどうかな?」
ルコ「確かに言葉で言えば簡単だが…」
ルカ「正直、実際に出来るかどうか不安ですわね」
ミキ「話し聞いてたけどさぁ…。ミクの言ってる事は一応理解したよ。でも一応ブラックホールだしさ。いくら簡単なモノでもここら辺一体を飲み込んでしまうんだよ?」
テト「どの道もう後には退けない…。このまま放っては行けないよ…。世界が滅びるのは嫌だけどさ、僕にはミキが居なくなるのはもっと嫌なんだよ…」
ガイア「それに、あそこら辺はもう少しで崩れ落ちるよ。聖霊の力が無くなり、ガーディアンも居ないから大地は聖霊の恩恵を受け入れられずに崩壊する…。どの道オイラはバウンドがあそこから離れた時点でおしまいなんだよ…」
ミキ「地割れが始まって来た!ヤバいよテトちん!もう何でも良いから早く!」
テト「わ、解った」
リン「ガイア、私の魔力を注ぐけど、足りるかな?」
ゲイル「必要とならば某も手を貸すぞ」
ガイア「ありがとう、ゲイル。危なくなったら力を貸してくれ。ゲイルの力は強力過ぎるから、本物のブラックホールを創り兼ねないよ」
リン「じゃあ、いくよ」
リンは精神を集中し、ガイアに魔力を注ぎ込む。
リンの魔力を貰い、ガイアは小さなブラックホールを創り出す。
ガイア「これが出口になる、入り口はミキが動き回ってるから、場所を特定しづらいなぁ…」
通信からミキが身を乗り出すようにガイアに質問する。
ミキ「何秒あれば大丈夫?」
ガイア「7秒でやってみせるよ」
ミキ「オッケー。じゃあ今から本気でこいつを7秒間相手するから、私の16M後ろにセットしておいてね」
ガイア「場所指定…仕方ない、リンもう少し魔力をくれるかな?」
リン「おっけー」
ミキ「さぁ。7秒間遊んであげるわ!」
ミキの挑発に乗り、龍は咆哮をあげる。
ミキ「ま、何秒でも行けるけどね♪これがあれば…」
ミキは鞄から筒状の何かを取り出し、スイッチを入れると先端から淡く光るブレードが出てきた。
恐らくビームサーベルというモノだろう…
ミキ「さぁ、行くわよ!」
龍はミキに目掛けて突っ込んで来る。ミキの読み通り、龍の鋭い爪をミキに目掛けて放つ。
ミキはビームサーベルで腕を斬り払うとそのままビームサーベルを突き刺し、後ろに飛んだ。
ミキ「後はこのボタンでビームサーベルが爆発♪16M先まで私が吹っ飛べば完璧ね。それに突き刺したままだと腕も再生し…えっ?」
ミキの読みは虚しくも外れ、既に再生した腕でミキに切り掛かる。
とっさに鞄でガードするが、そのまま勢いよく飛んで行く。
ミキ「はぁ…読みは外れちゃったけど、このまま飛ばされればちょうど良いかもね」
龍は遠慮なく次の一撃を繰り出そうとしていた。
そしてそこに運よく、ガイアの作ったブラックホールに入った。
テト「来た!引っ張りあげるよ!それっ!あれ…?」
カイト「どうした?」
テト「ミキの重さじゃない、他にも何か着いてきてる」
ガイア「早くしないと…閉じちゃうよ!亜空間に閉じ込める気?」
ルコ「テトさん!良いから引っ張ってください!」
テト「あ、あぁ…」
テトが勢い良くミキを引っ張りあげると、そこにはミキと…?
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