2-2.
教室を逃げ出して、生徒会室にやってきた。
……のに。
愛が私を追いかけてきた。そして、背後から私に抱き付いてくる。愛が興奮したように「うふふふふ」と笑うのが、すごく怖い。
「つぅーかぁーまぁーえぇーたぁー!」
「ひ、ひぃぃぃっ!」
悲鳴をあげる私に、愛は頬をふくらませる。そのぷっくりと膨らんだ頬が私の頬にぴったりとあたった。
「未来! ひぃってなによひぃって。それはさすがのあたしでも傷つくわよ?」
いや、でも。本当に襲われるんじゃないかと思ったんだもの。不可抗力だ。私のせいじゃない。
「まぁいいわ。この際そんなことよりも優先すべきものがあるものね? 未来ちゃん?」
どうやら、見逃してくれる気なんて、サラサラ無いみたいだった。
「つらいことって、誰かにぶちまけちゃえば意外と楽になるものなのよ?」
さっきまでとは打って変わって、優しげに、諭すように愛はそう告げる。
「素敵な人に出会ったんだけど、すごい失敗をしちゃった。あの人に会わせる顔がない。どうしたらいいんだろう、どうすればいいんだろう? 未来が考えてるのは、きっとそんなところね」
「メグ……」
ぴったしってわけじゃなかったけど、かなり正解に近いその予測に、私は驚いて愛を見返そうとする。
「未来、ほら、このおねーさんに話してごらん? そのもやもやした気持ちが、少しは楽になるかもよ」
そういうものなのかもしれない。もうあの人に会えなかったとしても、気を紛らわせることくらいはできるのかもしれない。
「ほれほれ、言ってみ?」
頬をすり寄せてくる愛に、私は隠し通すことなんてできないんだろうと思う。
私は、肩をすくめた。
「後で……ね」
「ぶーぶー」
ものすごく不満そうな愛に、頭を抱えた。
「あのね、メグ……私もそろそろ我慢の限界なの」
「え? なにが?」
愛は絶対にわかってて言ってる。むしろ、わからない方がおかしかった。
生徒会役員と、学園祭の実行委員が勢揃いしている生徒会室で、これ以上みんなの注目を集め続けるのなんて、私はもう恥ずかしくて耐えられない。これじゃあ、教室から逃げ出した意味なんて、これっぽっちもなかった。
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