夜の帳が 空を覆う頃
朧気に舞う桜の君
池の水面に顔映し
涙こらえて瞼閉じ
掬った清水は散り散りに
重なる波紋に夢映し
夜空に舞うサクラひらひら
風に乗りどこまでも
散りゆく花はもの悲し
淡い灯の如く
この瞳の中 焼き付けた姿
儚気な君の笑顔物憂げで
この手の内の一片に
二重舞い降る桜花(さくらばな)
せめて想いは散らさずと
切に大事に内に秘め
夜空に舞うサクラひらひら
川面に揺れる花弁
ゆらり流れていく花灯籠
哀情共に乗せて
夜空に舞うサクラひらひら
風に乗りどこまでも
星の数程の花弁と
空を仰ぎながら
春の散桜
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