本音だけで生きれるとは、何という騙り。
その棘は毒を含んでいる事、知らないのね。
騙りだけで生きれるとは、それこそ騙り。
唇はいつも体に馴染むよう、用意するの。
どうせなら痛く。どうせなら酷く。
鳴く間も無い様に叩きつけて。
裡に突き刺さる、束の間の慟哭。
二度は来ないから。
たった一つ。それだけの為に差し出せる「何か」。
なんてものは、存在しないと知ってしまった日。
靄がかかり。履き違えた靴、塗り損ねルージュ。
鏡に映る、私が映る、その眼差しは遠い昔。
願うだけで充たされると、信じているの?
眩しさ覚えてからでは遅いと、知らないのね。
棄てたならば絶ち切れると、怯えているの?
撒かれた分だけ吸い尽くされるわ、それで終わり。
どうせなら空に。どうせなら風に。
掴む事ない様に忘れ去って。
爪にこびりつく、やりきれぬ空白。
明日が来るのなら。
散らばる髪。酔い醒ましの薬、膜を張る涙。
こんなもので、繋がれるかなど思えなかった日。
夏が秋に。雪溶ける春も、変われないシェリー。
まるで人形、けれどそれでも、その掌に居れるのでしょう?
急ぐ影に積み上がる砂は、水を吸い重くなる。
進む、戻る、どちらにも行けず、もがくしか出来ないの。
そして今日もグラスはからっぽ。
たった一つ。それだけの為に生きている「私」。
踊らされて、幸せな素振り繰り返している。
綺麗なまま、大人になれたら。呟いたシェリー。
歌うよりも、眠るよりも、ただこの侘しさに乾杯を。
砂時計は、ささやかな期待も簡単に挫く。
信じるのが、子供だと気付き泣き明かしてた日。
愛されたい、壊されたいなんてどうでもよかった。
背伸びをしても、嘘を吐いても、その眼差しだけは私に。
欲しかったの。
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