高層ビルのベランダの。
ヘリに足を乗せていた。
長いマフラー携えて。
蒼い髪の青年は。

「初めまして、お嬢さん。よければ一曲、踊りませんか。」

微笑み語りかける声はどこか透き通って、まるで頭の中に直接びびく歌声のような――


「またあらわれたぞ!」
「これで何件目だ…女ってのは美男子だったらすぐつられやがる。」
「性別関係ないみたいですよ、先輩。」
「…ったく、にしてもえげつないよな。ビルのベランダから飛び降り自殺に見せかけて殺す。しかも自分は生身の人間じゃないからって何でもあり。ある時は天井からぶら下がってるってさ。」
「…ぱっと見て引きますけどね。」
「それが、動揺した瞬間をついて一気に『合唱(クワイア)』を決め込んで、あとは意のまま。」
「洗脳ってのは恐ろしいっすね。」
「んでも目星はついてんだ。あとはしょっ引くだけ。」
「ついてても分かってるのは一つだけでしょうが。」
「かてぇこと言うなよなぁ…分かってることが0と1じゃあ大きな違いでな。」
「にしても、謎が多いですよね。蒼い髪のマフラーの青年。」
「…東京ってのは、人は腐るほどいるからなぁ…ま、格好のえさだろうさ。」


――手を取り一緒に踊りながら、彼の寂しそうな笑顔を見ていた。歌声を響かせながら私と一緒に飛んでくれた彼。けれど途中で虚空に消えていった彼。今となっては探せないけど、きっとどこかに現れる彼。

これは。
不思議な不思議な世界。
二番目のアリスがいろんな音で、狂った世界を作り出す。
そんな世界のおはなし。
コードネームは、KAITO。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【完成させる気はない!】Ruin World

通学途中の電車の中で簡単に思いついたことを文にしました。
続きを希望する人が増えたら書きます。

閲覧数:78

投稿日:2011/05/02 00:16:35

文字数:667文字

カテゴリ:小説

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