最終章

「性嫌悪症」の事を彼へと伝えてから、2週間が経とうとしていた。
彼は変わらずに私に「愛情」を伝え続けてくれていた。
私も彼に対し、「愛情」を抱きつつあり、
毎日のdmや通話に「安心感」を抱く。
私はいつか「終わってしまう関係」に希望を持ってみようと思えていた。
月日は廻り、彼と「恋人」になってもう3年が経つ頃。
彼は変わりなく、私に「愛情」を与え続けてくれていた。
いつもの様に夜になると通話をしていた時に
ふと「ありがとうね」そんな言葉を彼の声で伝えてくれた。
私は「こちらこそいつもありがとね」そう答え、
その日の彼は疲れていた様子で、通話したまま寝落ちてしまった。
彼の寝息を聞きながら、私は香水を纏い、煙草を咥え、真夜中の外へと出た。
外は霧雨の様な細かい雨が降っていた。
煙草に火を点け、ゆっくりと呼吸する。
「いつか終わってしまう関係」かもしれないが、
私は彼の「優しさや、愛情深さ」そういった類の一人の人を信じてみよう。
そう思えた、夜だった。
霧雨に手を伸ばし、ゆっくりと濡れて行く手に私は心地良さを感じていた。
「終わってしまわない様に」と願いを込めて、
寝てしまった彼の寝息に「愛してるよ」そう伝え、通話を切った…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

月は嗤い、雨は鳴く

彼と「恋人」になって数年過ごしていた。
この先の事は分からないが、「愛しているよ」と眠ってしまった彼へと告げる。

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投稿日:2024/07/26 00:33:41

文字数:530文字

カテゴリ:小説

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