傾国(ケイコク)が望んだ月影は
かぐや姫も望んだ水面の月
手を伸ばしたとて届かぬ 掴めぬ
明日に涙を飾れば玉響(タマユラ)の時は吐息に消えるのだろう
口約の天誅(テンチュウ) 誰がため願う
小さき想いは儚く散るのに
早くしなくちゃ 早くしなくちゃ
あなたがこの手からすり抜ける―
傾国が望んだ月影は
石を投げつけたら揺れる月
届かないことくらいずっと前に知ってた
私はかぐや姫にはなれないの
似ても似つかない始まりも終わりも全て
着物は埃(ホコリ)まみれ それでも羽織る
寄せては離れる桃源郷さえも
私を否定した序奏を繰り返す―
傾国が望んだ華束は
かぐや姫も望んだ水面の華
声を上げたとて届かぬ 聞こえぬ
風花舞い散る調べも
崩されば刹那に溶けていくのだろう
絵に描いた餅 誰がため晒す
小さき灯は欠け落ちてくのに
早く行かなくちゃ 早く行かなくちゃ
夜もすがらあなたを想い泣く―
傾国が望んだ華束は
ただ枯れゆく時を待つ華
忘れられたことなどずっと前に知ってた
私はかぐや姫にはなれないの
似ても似つかないどこを切り取っても全て
白拍子(シラビョウシ)を攪乱(コウラン)
それでも唄う
闇夜に消えるこの歌声さえも
いつかあなたに届きますでしょうか―
届かぬ月も 届かぬ華も
私を疎(ウト)むだけの代物(シロモノ)
傾国が望んだ月と華
かぐや姫も望んだ月と華
手を伸ばしたとて届かぬ 掴めぬ
あなたに飾らうもの全て
玉響と刹那の泡沫でした
寄せては離れる桃源郷さえも
私を否定した序奏を弾いて唄ってる
私はあなたの隣に居たかった―
月と華
御伽噺__
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