3.11 僕は何をしていたのだろう? そして何をしただろうか?

もう1年と8ヶ月が経つけど、あの日から多くの被災者はまだあの日に取り残されている。
まだ行方不明の息子、その便りを待つ続ける母親。

数キロ離れた遠くの街では何事もなかったように忙しい風景が流れている。

当たり前だよ。日本全体が立ち止まれば国が滅びてしまうから。

風化させてはいけない出来事が多過ぎて忘れてしまいそうで怖いんだ。

「始まれば必ず終わる」それは全ての事に言えることなのだろうか?
生命も国も地球もいつかは必ず滅びるのだとしたら、何故この世に存在するのだろう?

信じていたいんだ、魂だけは永久に続くと。
願っていたいんだ、全ての死には意味があるのだと。
分かり合いたいんだ、同じ時代を生きているのだから。

ヒロシマでナガサキで鐘が毎年鳴らされて、神戸では毎年ろうそくが灯されて。
その度にメディアは業務的に流して、それを見た僕も習性として…

過去を眺めるのは楽だな、結果論でモノを言えるのだから。
未来を語るのは難しいな、どうせ皆から馬鹿にされるだけだろう。

忘れたくないんだ、僕が生まれ育った街並みを。
取り戻したいんだ、奪われたものを可能な限り。
讃え合いたいんだ、お互いに生きていることを。

僕の住む街はまだ平和かい? これからも平和であり続けるかい?
誰に問い掛けたら答えてくれるかな。政治家、神様、それとも…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

「生命の賛歌」~ショート・ストーリー~

2012MEIKO生誕祭のショート・ストーリーです。
ショートストリートと間違えたのは良い思い出です。

閲覧数:389

投稿日:2012/10/05 21:18:35

文字数:606文字

カテゴリ:小説

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