自分のマンションに戻った
時計を見ると、もうすでに長針も短針も12をはるかに超えていた
まだ痛みを訴える腰を無視して、ベッドへと倒れこむ
真っ暗な部屋の真っ黒な天井を見つめる
そして、さっきまで一緒にいた愛しい人の顔が思い浮かぶ
横になると、机の上にある写真立てが目に入った
そこには、私を含めた3人の大切な幼馴染みの写真があった
美玖、海斗、そして私、瑠華―――――
半年以上前に行った山で撮った写真
その中にいる私達は皆笑顔だった
あの時はまだ私達の関係は幼馴染みまでだった
(……いつからだろう、私達の関係が壊れ始めたのは…)
朦朧とする意識の中、睡魔に襲われて眠気に身をゆだねて私は寝た
ACUTE オリジナル小説
「海斗ー!!瑠華ー!!ほら!!町があんなに小さいよ!」
「美玖…相変わらず子供っぽいな」
「なにそれー!!」
「あははっ、でも美玖らしくていいじゃない、海斗」
「瑠華、それフォローになってない!!」
あたしたちは3人で山に来ていた
久しぶりに3人で遠出したからすごく楽しい!
山登りじゃないけど、綺麗な景色が見れる頂上のある山があると瑠華が聞いたから山に来た
海斗が車を出してくれると言ったからのせてもらった
瑠華が聞いた通り、とても綺麗な景色が広がる
前には町が、後ろには大自然が広がる絶景があった
「あ、ねぇ!!写真撮ろうよ!」
「写真かぁ…そういえば最近3人で撮ってないよな」
「いいんじゃない?久しぶりに撮ろうよ」
「よし!!じゃあセルフタイマー設定するね!!」
そう言って私はどこでもセットできるスタンド君!(これは商品名)を手すりにセットしてピントを合わせた
設定のボタンを押してセルフタイマーを10秒に設定する
「じゃあいまからいくよー」
「了解、こけないでね」
「こけないよ!!もう!!」
そういってあたしは2人の方へ走って行った
瑠華がからかったように、こけることなく、ね
時間が近づき、ランプが点滅する
「ちゃんと笑えよ、二人とも」
「わかってるって」
「はいはい」
パシャ
フラッシュがたかれ、写真が撮れたようだ
あたしがカメラを見に行くと、画面には笑顔の3人がいた
「いい感じだよ!!」
「本当?見せて」
「おお、いい感じじゃん」
「今度焼きましてね」
「うん!!」
笑顔で笑いあう写真の中のあたし達のように笑いあった
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