*Miku side
「ん…」
鬱陶しいくらい眩しい陽光に目が眩む。
太陽はもう南中高度に達している。
と、いうことはもう昼だ。
「カイト…?」
気がついたら、カイトはもう居なかった。
キングサイズのベッドの、何も無い真っ白のシーツ。
ひどく無機質なそれに、私の心は少し痛んだ。
くしゃ、と紙の音がして覗いてみると、自分の身体で小さな紙を潰しているのに気がついた。
『仕事に行ってくる。よく寝てたから起こさなかった。ごめん』
小さな紙は、手の中で更にくしゃくしゃになった。
真っ白なシーツの上には、涙も落ちた。
*Luka side
「ちょっと…また来たの?」
「あー…疲れた」
カイトは事も無げに膝に頭を乗せてきた。
私は膝をサっとどけた。
カイトの頭が床に落ちて、鈍い音を立てる。
「痛っ…」
「いい加減にしなさいよ…二股かけるような男は願い下げよ」
「だから別れるって」
「それ何回目よ!?いつまでもそんな嘘が通用すると思ってるの?」
ぎゅっと抱きしめられる感触。
首元にカイトの息がかかる。
「俺を信じてくれないの?」
「し、信じるわよ!でも…」
もう何度目か分からない嘘を、飽きもしないで信じ続ける。
きっと心のどこかでミクを恨んでいる自分が居る。
心のどこかで自己中心的な愛情を押し付ける自分が居る。
「じゃあ、愛してるって言ってよ…ミクじゃなく、私を」
信じるといったあとには、お決まりの台詞がある。
くるくると繰り返した末には、
「愛してるよ」
空虚な、カタチだけの言葉。
確かめ合っているようで、確かめ合ってない。
そういうつもりになって、誤魔化されているだけだ。
「俺は、ルカが好きだよ」
口内には舌が入ってきていた。
高校時代、冗談めかしてしてキスをしたことがあった。
けれど今のキスは、甘ったるいくらいの大人のキスだ。
私にとっては、冗談めかしたキスの方が、甘酸っぱくて、純粋で。
ミクに出会う前のカイトに、すぐ夢中になって。
でも、いつの間にか心が離れてしまっていた。
もう一度、心が近づいたときには、カイトはすっかり変わってしまっていた。
見慣れた町並みに、新しい建物がたったかのような違和感がそこにあった。
もうあの頃に戻ることは出来ない。
でももう一度、あの頃のカイトの笑顔が見れるなら…
カイトの手が服の中に滑り込んできた、その時。
ピリリリリリリリ…
ケータイの着信音が静かな部屋に鳴り響いた。
小窓には、「ミク」と表記してある。
恋愛か、友情か。
私の偽善を引き剥がすものがそこにはあった。
コメント1
関連動画0
ブクマつながり
もっと見る*Miku side
男の「アイシテル」は信用しちゃいけない―――
誰かが言ってた、この言葉。
カイトは私ではない誰かにも言っているのだろうか、「アイシテル」と。
心当たりはあった。
本当はもっと前からあったのだけど。
2週間前、ルカの首筋にあったキスマーク。
丁度、カイトが仕事で会えない、と言って...【ACUTE】歪んだ愛は、激化して 3
楪 侑子@復活!
*Miku side
「え?今日も…会えないの?」
ケータイを肩と顔ではさみながら、クローゼットを開けて服を選んでいた所に舞い込んだのは、もう珍しくないドタキャンだ。
仕方ないのかもしれない。
あっちは仕事もしてて、こっちはまだ呑気な大学生なんだから。
「ごめん…ちょっと会議が入って」
「…うん、分...【ACUTE】歪んだ愛は、激化して 1
楪 侑子@復活!
最初から、君を・・・
ーーーFire◎Flowerーーー
いつもは閑静な街も、一時の賑やかさを取り戻す祭。道沿いには多くの出店が軒を連ね、すれ違う人々は一様に笑顔を浮かべていた。
わぁっ、と歓声が上がる。夜空を彩る、鮮やかな花火。
ドン、ドドン、と体を突き抜けるような大きな音を上げ、絶え間なくその花...【自己解釈】Fire◎Flower【halyosy】
衣恋@ついった
「レンッ!レンッ!ねぇ、レンってばっ!」
私はレンの頬を叩き続ける。
しばらくすると「う~ん」という、レンの呻き声。
あ、気絶しただけなんだ、と気づき、私は叩くのをやめる。……レンの頬が赤く腫れてるのは気にしないでおこう。
とりあえずレンをベッドに運ぼうと、レンを抱き起こした。
その時、レンの部屋の...【リンちゃんなう!】続・リンちゃんは誰にも渡さない!←【自己解釈】
雪りんご*イン率低下
俺はいつものように、自分の部屋でだらーっとしていた。
そんなときだった。
ガチャッと、ドアの開く音に俺は向くと、そこにはミク姉とルカ姉。
「どうしたの?」
俺は二人に訊く。
「ねぇねぇレン君」とミク姉。
「あのねぇレン君」とルカ姉。
「「リンちゃんのアルバム写真とか……くれないかな?」」
あぁ、なん...【リンちゃんなう!】リンちゃんは誰にも渡さない!←【自己解釈】
雪りんご*イン率低下
自分のマンションに戻った
時計を見ると、もうすでに長針も短針も12をはるかに超えていた
まだ痛みを訴える腰を無視して、ベッドへと倒れこむ
真っ暗な部屋の真っ黒な天井を見つめる
そして、さっきまで一緒にいた愛しい人の顔が思い浮かぶ
横になると、机の上にある写真立てが目に入った
そこには、私を含めた3人...ACUTE オリジナル小説 (自己解釈)
ゆーなぎ
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
紅華116@たまに活動。
ご意見・ご感想
ども!紅華です^^
いやー。このドロドロ感、いいねww
覚えた言葉をすぐに使いたくなるのは私も同じだwwそして使い方を間違えていろんな人に指摘されるww
昼ドラ展開ktkrwww!!続きがめっちゃ気になる><
プレイボーイなカイトってwwカイトなんかバカイトで十分だ←
2011/11/20 13:44:40
楪 侑子@復活!
紅華ちゃん ドロドロです。これからもっとドロドロだ!
それ、分かりすぎて困るわ←
昼ドラよりドロドロにしようじゃないか←
バカイトじゃないカイトってやっぱ違和感しかないよねw
れっちぃ 大丈夫!3年内容だから!←
プレイボーイなカイトって案外難しいものだな←おま
いい曲だよね!
個人的にReACTが好きだな←鏡音居るから
期待に添えられるよう頑張ります(`・ω・´)
2012/03/14 23:53:27