血だらけの指先を見て吐き気がした

周りを見渡せばさっきまで笑っていた友の首が転がり、
昨日まで平和だった故郷は赤い炎に包まれ、
大好きな親の骨が僕の足の下に落ちていた。

飛び出た目玉、ちぎれた耳、真っ赤に染まった唇
何もかも一つでは機能できないモノばかり
それは人間も同じ
だから僕も機能しない
誰か僕の力になって
お願い

真っ赤な鬼が高笑う
何を見てそんなに笑う
僕の耳が死んだ

大好きだったあの子の無残な姿を見て
僕の目は死んだ

噎せ返る血の臭いを吸って
僕の鼻は死んだ

「ありがとう」
という言葉を親に言えなくて
僕の口は死んだ

何もかも死んだ
でも生きていた
僕の心は生きていた

気付いたら僕の手には鋭い刃
「ダメだよそんなことしたら、
あの鬼と同罪だ」
そんな綺麗ごと切り捨てて、
死者の作った道を歩く

僕の涙の跡に死者も続いた

「まだ生きてる者がいたのか」
そう鬼は呟いた


ライセンス

  • 非営利目的に限ります

誰カノ怨念ヲ

 

閲覧数:155

投稿日:2009/08/02 05:11:43

文字数:406文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました