「マスター起きてください、朝ですよ~」
「うるさい」
声は少し出るようになったけれど、声は小さくそして掠れていて聞き取りにくい。
「マスター、声が少し出るようになったんですね」
ミクは、嬉しそうに話しかけてくる。
私は、近くにあったスケッチブックを取り走り書く。
「えっと『楽器庫に行くから、早く支度なさい。それと、大きくなったのね』ですか。」
私はミクが読んだのを聞き、頭を縦に振る。
「用意するものなんてないんですけど、マスター」
私はまた、スケッチブックに走り書く。
「えっと、『帽子』。えっと帽子は、確か冷蔵庫の中?」
ベッドからようやく起き上がると、下着以外はすべて脱ぎ捨てる。
「マ、マスター脱ぎ散らかさないでください」
ミクを無視しながら、洋服をクロゼットの収納から取り出して着る。
そのついでに、ミクの帽子も取ってミクの元に戻る。
ミクはというとベッドをきれいに直し、その上にパジャマ代わりに私が着ていた服を置いてある。
「マスター、帽子がどこにあるのか忘れました。って、マスターの手に持ってるのってわたしの帽子じゃないですか」
ミクに帽子を被せてあげて、壁の時計を見るとちょうど十時になった所だった。
ちなみに、私が楽器庫に行く時は大抵が作曲作業を行う時である。
前もって管理をしてくれている屋敷の使用人に連絡をして置いたので、作曲時に疎かになる食事を頼んでおいた。
無論、昨日は声が出なかったのでミクに代わりに伝えて貰ったのだけれど、ミクの機能として他人の声をマネる事が出来る事にはさすがに私もびっくりした。
「お嬢様、お迎えに参りました」
玄関の方で声が聞こえた
「あ、来ましたね」
私は必要最小限の持ち物として、財布と携帯電話を持って家を出た。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

小説?『歌声』 5

ようやく三日目突入となりました。
区切りが良い所で切っているので短めではありますがお許しくだされ~
スローペースではありますが、とりあえず週一回は必ず続きを載せれるようにがんばるので、見守っていてやってくだされ

閲覧数:109

投稿日:2008/04/24 20:47:38

文字数:735文字

カテゴリ:その他

オススメ作品

クリップボードにコピーしました