朝はまた巡り来る
この壊れかけた世界に
分厚い灰色の雲の隙間に
天使の階段を君は見たか


冷たい惑星の夜明けに
始まりは突然やってきた
残されたわずかな人々が 
囁きざわめいた


一人の赤ん坊が 今 生まれた


幾多の人々が灰と化し
これからも死が続いてゆくであろう
消えない白い毒が降り積もる大地に
響いた奇跡の産声


新しい生命への歓びは
静かに人々に広がっていった
やがて歓喜の声が上がり
どよめきの中で誰かが言った
“これは真に神の子である
神は我々を見棄ててはいない“と


おめでとう この絶望の日々に
わずかな希望の光は点された
ただ迫る死の影に怯えるだけだった
明日が 再び歴史を紡ぎだす


おめでとう 私は 讃え続けよう
未だ何も知らぬ君を “奇跡の子”と
たとえこの世が もうすぐ滅びるとしても
人の世のある限り 謳い続けよう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

連作「戦争」5 「奇跡の子」

テーマ「戦争」の5作目。

滅び去った世界で死の影におびえる、わずかな残された人々の前で、ある奇跡が起きた・・・。

これを持って一応このシリーズは終了です。希望をもたらす出来事を書いた詩ですが、決して単なるハッピーエンドではない・・・と思います。

閲覧数:67

投稿日:2013/04/02 22:15:48

文字数:378文字

カテゴリ:歌詞

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