朝はまた巡り来る
この壊れかけた世界に
分厚い灰色の雲の隙間に
天使の階段を君は見たか
冷たい惑星の夜明けに
始まりは突然やってきた
残されたわずかな人々が
囁きざわめいた
一人の赤ん坊が 今 生まれた
幾多の人々が灰と化し
これからも死が続いてゆくであろう
消えない白い毒が降り積もる大地に
響いた奇跡の産声
新しい生命への歓びは
静かに人々に広がっていった
やがて歓喜の声が上がり
どよめきの中で誰かが言った
“これは真に神の子である
神は我々を見棄ててはいない“と
おめでとう この絶望の日々に
わずかな希望の光は点された
ただ迫る死の影に怯えるだけだった
明日が 再び歴史を紡ぎだす
おめでとう 私は 讃え続けよう
未だ何も知らぬ君を “奇跡の子”と
たとえこの世が もうすぐ滅びるとしても
人の世のある限り 謳い続けよう
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