Secret minds
私が話すことが出来るのは
父様母様と 無口な執事
絵に描いたような箱入り娘
幸せに護られ 愛されてる
嫌な事は何もないけれど
時の流れ
「つまらないものよ」
まさかね 驚く そんなひとり言
口にするなんて あるはずないのに
聞いてか聞かずか 執事は近づき
静かに優しく手を取った
立ち上がってスカート正したら
「行きましょうか」とドアを押し開けた
荷物も持たずに足早に 戸惑いつつも廊下をすり抜け
初めて屋敷の外へ出て 肌で触れて感じたものは
空と風と街と人と人と
まだ手を離さない 見慣れた横顔
許されてることじゃないけれど
胸の高鳴り 抑えきれなくて
世界が色付く 木々の緑色
艶やかに薫る あふれ出す光
まだつまらないか 笑って訊くから
答える代わりに抱きしめた
短い旅は終わり
囚われた 彼は手を振る
声に出せない気持ち
伝わらずに
小さな 小さな 心の叫びは
ためらうことなく 信じると決めた
「きらめく世界に私は行きたい」
後悔しないよ 翼羽ばたかせ
飛び立つ ついでに 禁断の恋を
今から叶えてしまおう
miritaso
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