目を覚ました時私は車の中に居た。まだ頭がガンガンと痛む。そもそも私何してたんだっけ?確か家に居たら『無事かー?』みたいなメールが来て、その後…あれ…?
「ん…。」
「あれ、緋織ちゃん…じゃない、えーっと…あれ?!七海君?!」
やだ何この男の娘可愛い!…ってそれ所じゃないか、この状況飲み込めないし。
「おーい、七海くーん?」
「ん…うっわ?!ヤンデレ!!」
「失礼ね、起きるなり人の事ヤンデレ呼ばわりして。」
七海君は物凄く警戒した後溜息を吐いて胡坐をかいた。ミニスカで胡坐とかシュール。
「覚えてねーの?道で俺に鋏ブッ刺そうとしたんだよ?」
「何で私が?」
「こっちが聞きてぇよ!目確実に死んでてめっちゃめちゃ怖かったぞ?!」
私が七海君刺すとか意味解んないし有り得ないでしょ…けど出任せにしても本気で怯えてるっぽいし、何か私も記憶飛んでるし…。
「一先ず車出ようよ、って言うか此処何処?」
「見た所一之瀬のマンションの下だな。」
「うーん…現在地解らないし私財布も持ってないし取り敢えず行ってみよ。」
車から降りてマンションの入り口に差し掛かった所で七海君が私を止めた。
「なぁ、アンタ大丈夫なのか?」
「え?何が?」
「お師しょ…弭さんの事とかさ。」
「え…?」
頭に針を刺されたみたいな痛みが走った。弭さん…そうだ…メール貰った後電話が掛かって来て…。
「痛っ…!頭痛い…。」
「ちょ、大丈夫かよ?!」
急に痛み出した頭を抑えて壁に寄り掛かった。思い出せそうでハッキリしない感じが凄く気持ち悪い。と、車の音と足音が聞こえた。
「七海!お前何持ち場離れてんだよ?!」
「アンタ等もかよ?!次から次へ訳解んねーのこっちだっつの!」
「いたたた…もぉ!横で大声出さないで!」
「澤田?何で君まで此処に居るの?」
えーっと、目の前の光景、真壁さんが女装七海君の胸倉掴んで響さんが実にチャラい格好で私に質問中。正直こっちが何やってんのか聞きたいです。
「そいつが街中で俺に鋏振り回して大変だったんだよ!んで犯罪者臭い奴が殴って止めて…つかそうだよ!あのお師匠そっくりの奴誰?!出所とか言ってたぞ?!」
「出所…?」
マンションの入り口って結構声響くから物騒な会話しないで欲しいな…。
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