初恋メロディー 双子蜜柑 そのさん



私たちの家の近くの公園まで、ずっと何も話さず、でも手を

繋いで二人で向かった。



公園に着いた。

その公園は200m×200mの大きさの公園で、公園の中には区営の体育館や

野球場があり、長くはない散歩道もある結構大きな公園だ。

公園の入り口は特には無く、接している道のどこからでも入れるようになって

いる。

私とレンは昔から、この公園で地元の友達と遊んでる。

私達は公園に入り、反対側にあるバスケットゴールが2つある場所に

向かっていった

そこで

「おっ、レンとリンじゃん。久しぶり~」

「よっ、久しぶり~」

中学まで同じで、違う高校に行った地元の男友達2人に会った

レンは

「久しぶり~」

私は

「久々~」

二人は私達を見て

「相変わらず仲いいね~」

「中学と変わってないね」

私達は

「まだ最後に遊んでから一ヶ月ぐらいじゃん、変わらないよ」

「双子なんだから普通仲いいでしょ?

それよりさ、ボール貸してくんない?」

レンがそう言うと友達の1人が

「いいよ~はいっ」

とバスケットボールをレンにパスする

「サンキュー」

レンはボールをつきながら歩き出し、

ゴールに向かってシュートする

パスッ!

シュートが決まった

やっぱ上手いな~

レンは背は私と同じぐらいだけど、バスケが上手い

「ほいっ、リンもやってみな」

そう言って私にボールをパスする

「う、うん」

入るかな…

「ほっ!」

意気込みながら両手でシュートするも

ガンッ!

リングに当たりボールが弾かれる

跳ね返ったボールをレンがキャッチし

「惜しい惜しい、頭の上にボール構えて打ってみ」

私にボールを渡す

頭の上にボールを…

言われたとおりに構えて

「ふりゃっ!」

シュートすると

パスッ!

今度は入った

「入ったよ~レーン」

「うまいうまい」

私達が笑いあっていると

「じゃあオレ達帰るからね~」

そう言ってボールを貸してくれた友達2人が立ち上がった

「え?じゃあボール返すよ」

レンがゴール下のボールを取りに行くが…

「あぁいいよいいよ。どーせまたここで会うでしょ?

なんだったらメールするし、貸しとくよ、じゃーねー」

「分かった~じゃーねー」

「バイバーイ」

「レン、リンばいばーい」

友達は自転車に乗り、公園から出て行った

友達2人がいなくなるとレンが

「よしっ!1対1でやるか!リン!」

「え~やだよ~私が負けるの目に見えてんじゃん。やだ~」

「手加減するから平気平気」

「…じゃあまぁいいけど…本気になっちゃヤーだからね」

「はいはい、じゃあやるよ~」

その後30分ぐらい2人でバスケをした






「はぁ…はぁ…い、意外と…つ、疲れた…」

「リンは体力ないな~」

レンは疲れてる様子なく私に言う

「ぜぇ…いつも…バスケぇ…やってる…はぁ…あんたと…い、一緒に、

…す、するなぁ~」

「いや、俺に体力があるんじゃなくて、お前の体力が無さ過ぎ」

うっさいわっ!!

運動音痴なめんなよ!!

球技大会が学校行事の中で一番苦痛に感じる気持ちなんて分からんだろうさ!

休みたくて仕方ないよ!!

あんたの身体能力の半分を私にくれよ…

双子なのにリンは運動ダメね~が、一番の言葉の暴力なんだぞ…


私がぜぇはぁと、地について息をなんとか整えていると

「ほ~い、アクエリ買ってきたよ~」

と、レンがスポーツドリンクを渡す

よっこいしょと起き上がり

「…アクエリよりもポ○リ派なんだけど私…」

「探したけど無かったよ、まぁいいじゃん」

「ありがと」

レンからアクエリを受け取り

ゴッゴッゴッ…

「んぐっ、んぐっ、んぐっ!」

ゴクッゴクッゴクッ!

「んぐっ、んぐっ、んぐっ!…プハー!!生き返るぜー!!」

とアクエリを一気飲みした

「ん?何?レン」

唖然としたレンに聞く

「…もう少し可愛く飲めないの?リン…」

「え~?今の可愛くない?駄目?」

「可愛くないし…どっちかっつーと…」

「どっちかっつーと?」

「ビール一気飲みしてるおっさんにしか見えなかった…」

「え~?どこが~?レンおかしいよ~」

「…いや、リンの今の飲み方見たら、みんな同じ感想を持つと思うよ…」

「そんなことないよ~」

と言いながら空き缶をゴミ箱に捨てに行った

「……プハー!!」

レンもアクエリを飲み干して、

「…じゃあ帰りますか…」

ショッピングモールの時と違って、優しい声だ…

「うん、帰ろっか…」

「ほっ」

レンが空き缶をシュートすると、カコンッ、とゴミ箱に入った

「いえ~い、ナイッシュー」

「こらっ!人に当たったらどーすんのっ!?危ないでしょっ!!」

喜んでるレンを叱る

ホントこーゆーとこがガキなんだからっ!!

「す、すいません…」

「気をつけなさいっ!!もう!」

「はい、ごめんなさい」

「はい、帰るよ」


どちらともなく手を繋ぎ

ここはなんも変わんないなぁ…

昔からの公園を出て行き、私達は家に向かって並んで歩き出した




夕焼けの時間が終わりかけて、藍色の空と夕焼けの赤色が右と左に見える。

きれ~…

何て言えばいいんだろ?こういう美しさって?

宝石とかの、輝いて綺麗~とかじゃないこの感じ…



「ねぇレン…」



「ん?何?」



「空…綺麗だね…」



「…そうだね…」



「何て言うのかな?こうゆう綺麗さ?」



「…さぁ…分かんないよ…」



「…そっか……そうだよね……」



レンが分かってないと私は分かっていた。それでも聞いた



「多分こーゆーのが…」



「ん?」



「世界で最も美しい風景の一つなんだと思う…」



「……そうだね……すごいね…」



その場に立ち止まり、2人で世界で最も美しい風景をぼんやりと眺めた






空が完全に夜になり、


「ねぇ…レン…」

「何、リン」

「アイス食べたい…」

「却下です。」

「ダメですか?」

「クレープ食べたじゃん、ダメです」


私の案は却下された

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初恋メロディー 双子蜜柑その3

初恋メロディー双子蜜柑のその3です。

もっと雰囲気を上手に書いてみたい…

閲覧数:85

投稿日:2011/11/09 13:47:46

文字数:2,608文字

カテゴリ:小説

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