「ねぇ、がっくん…」





私は目の前に居る紫色の長髪男に言う。





 「何?ルカ」







 「あのさ…」







私は大声でいった。









 「誕生日プレゼントがナスとか許さないわよっ」







私はそこにあったナスを男、がくぽに投げつけた。









 「い、痛いんだけど…」







 「そんなの知るかっ!」





私はそっぽを向いた。






 「だって可愛いじゃん…ナスノヨイチ」





そう言って投げつけたナスを拾い、ナスの名前を言った。








ナスにつまようじが4本刺さっているだけで馬を表現しているらしい。





ま、元ネタが源氏物語「扇の的」の那須与一だからなのかもしれないけど。






 「お前には可愛いかもしれないけど私にはぜんっぜん分らないわ!!」






 「ナスなんかチョコナスにでもしちゃいなさいよっ!あれ、おいしいから」




自分でもわけのわからない発言をし、部屋を出ようと立ち上がった。






 「待ってよ、ルk」








バタン!






がっくんの言葉を最後まで聞かないうちにドアを強く閉めた。







この人とずれてる彼氏、どうしたらいい?















部屋を出たついでに家から出た。行くあてもないまま歩き始めた。





一応財布は持ってきたから…ケーキでも食べに行こうかな。






しばらく歩いているとよく行く喫茶店があり、そこに行くことにした。





 「いらっしゃい。あ、ルカちゃん今日はひとりなの?」






そう声をかけてきたのはここの店のオーナー、メイコさんだ。






 「あ、はい…」





いつもはがっくんと来ているからひとりなのが気になったらしい。







 「今日は何にする?」





カウンターに座るとメイ子さんが聞いてきた。





 「じゃあ、ケーキセットで…」






 「OK。ちょっと待っててね」





メイコさんが厨房に行き、私はケータイを開いた。







メールぐらい、よこせっつーの。







なにも新着メールが入っていないのを確認してケータイを閉じた。






 「はい。お待たせ」




メイコさんがケーキと紅茶を持ってきた。ケーキはチョコケーキで軽くキャラメリゼされている。






 「ありがとうございます」




と言ってケーキを一口食べた。





 「おいしいです」




メイコさんが作るケーキはいつもおいしい。けど今日のは少し…少しだけ悲しい味がした。





 「ねぇ。がくぽ君と何かあったの?」





そう聞かれ、今日あったことを話した。






 「なるほどねー。そりゃ、がくぽ君も悪いね」






うんうんとただ頷くだけの私とは別にメイコさんは話し続けた。






 「でも、ルカちゃんも良くないと思うよ?」







 「そうですよね…」





それは分ってた。でもなんだか愛されていない。軽い愛の様に思えたから。





 「メイコさんはこんな時どうしますか?」






 「そーね…ま、今の仲を保つにはいろんなことがあったのよ」





あれ?話そらされた?ま、いいや…





 「今ではカイトと結婚して店開いて…ま、前の彼氏メイトふっちゃったけどね」





てへっと可愛らしく笑うメイコさん。




 「そうなんですか…あ」






 《今こそ、俺?今から、俺?今、俺、モテ期到来…みたいなー?》





突然ケータイが鳴った。すばやくケータイを開いた。いつもは個人的に楽しんでいる着ボイスで人前で鳴ったのが恥ずかしかった。


べ、別に正臣が好きなわけじゃ、ないからね!




 「メールだ…」





新着メールを見る。がっくんからだ…




 『さっきはごめん。ちゃんとしたのをあげるべきだったよね…今からそっちに行くから待ってて』




行くってどこに…?私のいる場所、分るの…?





しばらく画面を見ていたが、メイコさんが



 

 「あら、王子様のご登場よ」






 「えっ――――」





私はガラス張りのドアの方を見た。










バッ







 「ルカ!!」






 「がっくん…」




そこに勢いよく入ってきたがっくんを見ると息が荒かった。







 「走ってきたの…?」






 「ごめん、ルカ。Happy birthday」





そう言ってがっくんが差し出したのは…






 「やっぱり…ナスなの?」





やっぱりナスだった。






 「ナスはチョコナスにしろって言ったで―――あれ?」





ナスノヨイチの首(?)のところにキラキラ光るものがついていた。







がっくんはナスノヨイチの首(?)についているキラキラ光るものを取り、私の首に付けた。






 「うん。とっても良く似合うよ」




新羅なみのセリフを言い、がっくんは微笑んだ。あ、新羅というのは私の3番目に好きな男性キャラ。はどーでもいいとして…




 「あ、ありがとう…」




私は照れながら言った。キラキラ光るものはネックレスで可愛い蝶の形をしている。





 「がっくん」






 「ん?何」








 「大好きよ////」





私は赤くなりながら言った。





 「あぁ。俺もだ」




そして2人は抱きあった。



























 「恋のキューピットも簡単じゃないわね」





メイコはケータイ片手に言った。その画面には、





 『キミの彼女、あたしの店に居るわよ。早く迎えに来てあげなさいよね』






と書かれていた。






 「そんなことを上手くできるってのは流石メイコだな」





奥の方から青髪の青年が出てきた。





 「カイト…やっぱりあのケーキ出してよかったかしら?」






 「こういう結果になったからいいんじゃないか」






 「そうね」




2人は幸せそうな2人を静かに見守っていた。


























今年の私の誕生日は少し早いチョコレートのような、苦くて甘い一日になりました。




                             fin

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ルカ様誕生日記念~Chocolate~

ルカ様お誕生日おめでとぉおおおおぉおおお((黙


ぽルカです!そしてこの話に出てくるメイコとカイトはこの前書いた「Love letter」のメイコとカイトです!実は結婚しました!!

チョコナスはおいしいですよ~マジで。ナスの上にチョコ乗せるの。
某パズルアクションゲームのあるキャラが言ってたことを実行したらおいしかったという…

ルカ様は実はオタです☆正臣好きはうちに合わせたよー♪
新羅は惜しくも3位。2位はしずちゃん(ランクアップしたよ!)


ちなみに、バレンタインの日は後期期末テストです←

閲覧数:587

投稿日:2011/01/30 22:47:11

文字数:2,763文字

カテゴリ:小説

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