#15「代価」



ミクに残された時間は…もうわずか……

それは一目瞭然だった

でも…僕は諦めきれなかった


「ミク!しっかりしろ!お前は僕が助ける!」

「ふん!【諦めなさい】。人間風情が【クチハテ】の毒を中和できるもんですか!」


僕の後ろで発せられたその言葉に怒りを覚え、発した人物……あの桃色の髪の女性に掴みかかった


「なんだと!あなたは、人の命をなんだと思ってるんだ!」

「知らないわ!人間の命など、私が知ったことではないわ!」


女性はまったく動じずに僕を睨む




それを見て、マイが2人を止めようと間に入る


「マイちゃん……。ごめん、そうだよね。今はミクのことだ!」


マイがコクリと頷く



「リン?!何を?!人間の肩を持つの?!」


『そんなことないけど…でも、あの人達は私を二度も【クチハテ】から助けてくれた!』


マイは僕とミクを指さして、そう言葉を【発した】


「だが、所詮やつらは人間なのよ!危険な奴らなのよ!」

「違う!あの人たちは、私を、命をかけて庇ってくれた!優しくしてくれた!」


マイが真剣な表情で女性に訴える

女性はしばらく考え込むと、ふふと笑った







「………おい!人間!」


僕が女性に呼び止められる


「その子を助けたいのかしら?」


女性がミクを指さしてそういった


「あたり前だ!ミクは僕の大切な人なんだ!」

「そう。なら、その子を助けるにはこの薬が必要よ」


そう言って、女性が懐から取り出したのは中に液体の入っている小さな小瓶


「それでミクは助かるのか?!」

「えぇ、この薬で毒を中和できるわ」

「ありがとう!これで、ミクが助かる!」


僕は女性に近付いて、それを受け取ろうとした

しかし、女性はその小瓶を引いた


「おっと…誰がタダであげるって言ったかしら?」


女性はニヤッと笑う


「なっ…!今はそんなこと言ってる場合じゃない!あとで金でも【何でもやる】から、それをください!」


僕は必死だった

ミクが息を引き取ってからじゃ、全て無駄になる


「ふぅん……言ったわね!それを忘れるんじゃないわよ!」


そういうと彼女はスッと僕に小瓶を渡した


「ありがとう!」


僕はさらっとお礼をいうと、ミクのもとに駆け寄る





「ミク!しっかりしろ!さぁ、これを飲むんだ」


僕がミクに薬を飲ませようとする

が、ミクが口を開けない

というより、もうすでにそんな力もないのかもしれない……

こういう時に使う器具も診療所に行けばあるが、そんなことしてたらミクの命が危ない



僕は薬を自分の口の中に含んだ



そして、そのまま口をミクの口にあて直接流し込む




口の中の全ての薬を与え終わると、僕はゆっくりと顔を離す



さっきまで苦しそうな表情だったミクが、少しだけ顔色よくなっていた


「これで…ほんとに大丈夫なのか?」


僕は半信半疑で女性を見た


「当たり前でしょ。私が作ったものに失敗はないわ。さぁて……小瓶を渡した代価…払ってもらおうかしら?」

「あぁ……お金…ですか?」


僕はどんな膨大な金額を請求されても驚かない心の準備をしていた


「いえ…お金なんて、私は困ってないわ……代価は【あなた自身】よ!」


彼女はニヤリと笑った


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

妖精の毒#15

うきゃーーー!!ですね!ww
カイト兄は助けたいために無意識なのでしょうけどww

そして、ルカの狙いは?!


リンはしゃべれた!
これに驚いた人は、私の狙いに見事に引っかかってますww
でも、ここまででこれを予測できるのは神ですけどねwww←

閲覧数:209

投稿日:2012/06/11 21:24:35

文字数:1,413文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

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  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    え…!
    ルカちゃん、酷な…!

    でも、カイトにはミクが大事な存在だったんだし、後先のことは考えられる状況じゃなかったんでしょうな…。

    ルカちゃん、悪ノPさんの小説の「エルルカ」に似てますねw
    キャラは一緒ですが…ww

    2012/06/12 21:20:57

    • しるる

      しるる

      そですね?
      それが意味深だと気づいていただけたでしょうかww

      うん!!さすがです!!
      そういうことなんです!!イズミ草さん、さすが!!ww

      あぅ…そ、その小説はわかんないです

      2012/06/12 21:41:41

  • june

    june

    ご意見・ご感想

    リンちゃんとルカさんは妖精で……

    なんか、妖精>人間みたいな…?

    脳みそが処理限界を超えたw



    ルカさん怖…

    なんか、偉い人の秘書とかそういう位置の人って大概こんな感じだよねww

    2012/06/12 17:14:37

    • しるる

      しるる

      処理限界はわかりますww
      でも、もう少し耐えてくださいwww

      ルカさんの怖さはこれからこれからww

      2012/06/12 21:38:15

  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    シャベッタアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
    リンちゃんがしゃべっ・・・たと言っていいのか。『』ついてんぞ。
    いや!細かいことは気にしすぎたらいけない!…でもこういうのは気にした方がいいよねwww
    ファンタジーはフカヨミした方がいいことぐらい自分の作品で分かっているじゃないか!www

    ルカさん待ってくれ!カイトはそこに必要なんだ!!
    代わりに俺が!いやむしろ俺が!というか俺を弄ってくだs(黙れ変態

    2012/06/11 22:45:15

    • しるる

      しるる

      しゃべってますww
      普通に声に出してしゃべってますww
      とりあえず、バレバレじゃないので成功…かな?ww

      謎が謎をよぶミステリー
      謎がはびこる迷宮へようこそww←

      2012/06/11 23:51:33

  • とうの。

    とうの。

    ご意見・ご感想

    ルカさん、何てことを…!!
    そしてやっとリンちゃんがまともに喋ったー!

    急展開が続きまくりでドキドキしながら楽しんでおります^^

    2012/06/11 21:35:06

    • しるる

      しるる

      楽しんでもらえてるようでよかったですww

      ルカさんの真意が謎すぎるもんねww

      2012/06/11 21:49:56

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