A
私の輪郭が滲み
密やかに近づき
あなたの輪郭に交じる
黒の絵の具のよう
B
暗がりの中二人　
互いを確かめ合う
愛をまた深め合い
月夜に照らされ咲く
S
秋の夜空に照らされ
互いを求め合い
蕾が開くゆっくりと
月明かりの下で
密やかに咲いた花は
凛として咲いてる
A2
周りの景色が変わったら
二人のキャンバスは
あなたと私の間で
歪みだし破れた
B2
わーわーと泣いたけど
もうあなたは居なくて
私なんて消えても
誰も気づかないから
S2
秋の夜空に照らされ
泣いている私の
蕾が閉じるゆっくりと
月明かりの下で
密やかに咲いた花は
ゆっくりと枯れてく
C
さんざんな毎日
あなたへの蕾は
あんなに開いたのに
あなたは違ったから
S3
秋の夜空に照らされ
消えていく私の
蕾はもう無くなってる
月明かりの下で
泣いている私だけが
独り描かれてた

ーひらがなverー
A
わたしのりんかくがにじみ
ひそやかにちかづき
あなたのりんかくにまじる
くろいえのぐのよう
B
くらがりのなかふたり
たがいをたしかめあう
あいをまたふかめあい
つきよにてらされさく
S
あきのよぞらにてらされ
たがいをもとめあい
つぼみがひらくゆっくりと
つきあかりのしたで
ひそやかにさいたはなは
りんとしてさいてる
A2
まわりのけしきがかわったら
ふたりのきゃんばすは
あなたとわたしのあいだで
ゆがみだしやぶれた
B2
わーわーとないたけど
もうあなたはいなくて
わたしなんてきえても
だれもきづかないから
S2
あきのよぞらにてらされ
ないているわたしの
つぼみがとじるゆっくりと
つきあかりのしたで
ひそやかにさいたはなは
ゆっくりとかれてく
C
さんざんなまいにち
あなたへのつぼみは
あんなにひらいたのに
あなたはちがったんだね
S3
あきのよぞらにてらされ
きえていくわたしの
つぼみはもうなくなってる
つきあかりのしたで
ないているわたしだけが
ひとりえがかれてた