拝啓、貴女様。

重ね重ねお伝えしたいことがあります

私は　貴女のことが―――



桜舞う春のこと
私は貴方をお見かけしたのです

貴方は無邪気な笑顔で桜と共に舞っていらっしゃった
可憐に　優美に　しなやかに

私はその姿に　一瞬にして心を奪われ
そして　貴方の虜となったのです


名も身分も分からない貴方
せめて　もう一度お会いして
貴方の美しい名を聞けたら…

どうか　もう一度貴方に会いたい
『桜姫』



ある日私の願いは
唐突に叶えられたのです

雪の舞う運命のあの場所に貴方がいらっしゃった
変わらず　健やかに　美しく

私の恋心は　さらなる高鳴りを始め
そして　さらに貴方に惹かれたのです


この世の中で光を放つ貴方
せめて　もう少しだけでもいい
貴方を見つめさせていて…

どうか　あの日のように舞ってください
『桜姫』



貴方が私の方を向いた

―不意に重なる視線

―高鳴り続ける鼓動


鳴々…
それだけで私の胸は張り裂けそうで・・・



拝啓、桜姫。

重ね重ねお伝えしたいことがあります

私は　貴女のことが―――



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