「そうか、リンは居なくなったか」
リンが居なくなった事に、マスターは何も動じない。
私を、励ましてくれる人はもう、此処に居ない。
「あのな、カナ。俺では、お前を幸せに出来ない、亜種を、俺には触る事が出来ない」
「・・・・・マスター」
彼の過去を、私は知らない。
知る由も無い。彼も、誰も、話してくれないから。
「それでな、俺は、お前を幸せにしてくれるマスターを見つけたんだ」
「・・・・・・・」
私、マスターのもとから離れるんだ。
あのミク達にいじめられなくて済むのは良い、でも、マスターと離れるのは寂しい。
「だからな、お前と離れる最後に、お前の本当の、心からの歌を、聞かせて欲しい」
「・・・・・!良いですよ!その言葉を、最初から、ずっと、待ってたんです!」
その言葉は、初めてマスターから聞いた。
でも、もう、これが、最後・・・・・最後なんだ・・・・・・・。
最初で最後の、心からの歌。
「これが、俺がお前に渡す、最初で最後の、楽譜だ」
その曲名は、『夢を見ながら』。
歌った。心を、こめて、私をそばに置いておいてくれて有り難う。
私の事を気にかけててくれて有り難う。
私に強い心をくれて有り難う。
私、幸せだよ、マスターの、トーヤさんの近くに居て、とても、楽しかったよ。
新しいマスターのもとでも、トーヤさんの事、絶対に忘れないよ。
私、新しいマスターの所に行ったら、其処の子と、仲良くいけるよ。
有り難う、私、私、いつか、また、貴方の所に、戻ってくるよ。
その時まで、さようならだよ、その時は、私は、『時音カナ』という一人のアンドロイドとして、貴方は、『空理トーヤ』として、接するよ、私は、絶対に忘れない。
だって、永遠のさようならじゃない。
だから、最後に言う言葉は・・・・・・。
『トーヤさん、また、会いましょうね』
『・・・・・ああ、また、会おう、その時は、俺も、亜種を、お前を、守れるようになれてたらいいな』
嬉しくて、悲しくて、でも、これまでの自分を振り返って、そして、新しい一歩を踏む。
そして、また、リンちゃんやトーヤさんと会えるように。笑顔で居られるように。
有り難う。
リンちゃん、元気?
私、新しいマスターに引き取られてね、元気にやってるよ。
リンちゃん、いつか、此処に来てね。
待っています。
時音カナより。
「うん・・・・いつか、行くよ」by???
次回
片方の鏡、いつかの友へ。
真音家シリーズⅡ 6話時の流れ、負けない心
まさかの二部とね。
次回はあの子の話だよ!
この話、原作とすごい話変えました!
本当はララの出番あったんだ・・・・・・。
ごめん、ララ。
まあ、真音家シリーズは過去の話で、ある日の真音家や、ミク達の恐怖の一ヶ月です。
時系列的には
AVシリーズの意味
真音家シリーズ
見守る鏡などの鈴音シリーズ
ある日の真音家 ミク達の恐怖の一ヶ月 ボーカロイドな日々
最後の三つは同じ時系列あたり。
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