寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
繰り返す放課後はやがて時を止め
少女はかくて夜に溺れていく
憂い、惑い、昏い、未来
救い、期待、宵待ちに浮つく
(狭い狭い檻の中、近い近い夜を待つ)
メランコリア、いつまでもいつまでもその声を聴かせて
(狭い狭い檻の中、近い近い夜を待った)
此の世の果てまで汽車で連れていってよ
何もないようなこの世界のページに色を塗るから
頭の中に限りない空の碧を広げて
ひとりぼっちだと気づいてたけど
いつか大人になるまではそばに居て欲しいから
閑となる図書館の寝息、
蛇行する階段(きざはし)を登ったセカイで
想像と現実は袂を分かち
少女は暗い本の上で眠る
目眩く捲られゆくページ
やがて来ん一日(ひとひ)に砂糖菓子の栞を挟めば
然る程にくぐもった夜気が満ち、
少女はかくて徒花と散りゆく
憂い、惑い、昏い、未来
淡い、想い、耳鳴りの向こうへ
(狭い狭い檻の中、近い近い夜を待つ)
メランコリア、いつまでもいつまでもその声で語って
(狭い狭い檻の中、近い近い夜を待った)
あなたが見ている景色を見させてよ
味気ないようなこの世界の続きを書き換えるから
頭の中に限りない海の碧を注いで
意味は無いのだと分かってたけど
いつかあなたがいてくれて良かったと思うから
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