第三話
───────
『もう、駄目かもしれない』
『なぁに?パパ?』
『もし、パパが消えたら、リンはどうする?』
『いやぁ!絶対にいやぁ!』
『ははっ…やっぱり、リンは可愛いなぁ』
『ちょっと!リンに甘やかし過ぎだよ』
『おっ、レンはヤキモチか?』
『違うよ!ばか!おじさん!』
『ん?もう一回言ってみなさい?ん?』
『………おじさん!』
『よしっ!レン。お前の今日のおやつは無しだ。』
『ひどーい!!』
『リン、今日のおやつはブリオッシュだぞ』
『やったー!!リン大好きぃ!』
『ずるいっずるいっ』
───────
夢を見た
あの女の子が、笑ってた
そして、あの女の子は…
『リン』だった
「………」
「起きた?」
「ミクちゃん…」
「ん?」
「…変な夢見た」
「変な夢?」
「うん。小さい私と、小さいレンと、私が『パパ』って呼んでる優しい男の人の夢」
「…」
ミクちゃんは、ちょっと困ったような顔を見せる
「…ミクちゃん?」
すると、ミクちゃんは、そっと口を開く
「今のリンちゃんにとって、一番大切な人は誰?」
「レン」
「そっか」
「なんで?」
「たぶんだけどね、私が思うに、その夢の中のリンちゃんは、とても幸せだったと思うんだ」
「ミクちゃん、わかるの?」
「うん。その、『パパ』はね、『マスター』だよ」
「……」
「リンちゃんがパパって小さい頃に呼んでた人はマスターしかいないんだもん」
「マスター…」
若くて、かっこよくて、私に優しい、マスター…パパ
なんで、私は忘れてしまったの?
「…なんで忘れちゃったんだろ」
「それは、私にもわからないし…リンちゃんは思い出すことも出来ないんでしょ?」
『思い出さないで』
「…そうだなぁ。思い出せない」
「でもね、リンちゃん」
「?」
「リンちゃんが思い出せなくても、心の中でマスターのことを思っていれば、いつかは、思い出せるんじゃないかな?きっと、マスターもリンちゃんのことを考えてくれてると思う」
「マスターが?」
「うん。今、ここに姿はなくなっていても、気持ちはどこかで通じてると思うから」
そう言って、にっこり笑うミクちゃんの顔に、私はなんだか安心した
「そうだ、ミクちゃん」
「何?」
「マスターは、どうして死んじゃったの?」
「…マスターはね、病気だったみたい」
「病気?」
「うん」
「そっ…かぁ」
『もう、駄目かもしれない』
「でも、マスターは最期まで幸せそうだったよ!」
「そうなんだ」
『貴女が私を殺した』
「………」
「…?リンちゃん?」
「あっごめんね。なんでもないよ!」
「そう?じゃあ、私、もう帰るね」
「わかった。今日は、ありがとう」
「いいえ!レン君にもよろしくね」
「うん!」
そうして、ミクちゃんは部屋を出ていき、帰った
妙に響く時計の秒針の音が耳に滑り込む
テレビで笑いをとる司会者の人が目に映る
笑い声が聞こえるような…
あっ、これはテレビからの笑い声か…
部屋に一人になると、やけに視覚、聴覚が敏感になる
目の前に、女の子が居るような気がした
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