此処はおとぎ話の国
少女はお母さんに頼まれて
森の中へと入って行く
その頭には赤のずきん
籠の中にはパンとジュース
体の悪いお婆さんへの届け物
「恐い狼には気をつけて」
少女は森へ入っていく
一人で森へ入っていく
”恐い狼には気をつけて・・・”
森を進む彼女の前には
黒き狼
「お嬢さん、この先にはお花畑がありますよ」
お婆さんへのプレゼントに
「ありがとう」
疑う事を知らぬ少女
お礼を言い駆けていく
お花畑の方向へ
狼と少女
一緒に花を摘みながら
お互いの事を知りました
狼は肉が嫌いだと言った
「変な狼ね」
「君は僕が恐くないの?」
「どうして?貴方はとっても優しいわ」
二人は笑う無邪気に笑う
無邪気な赤ずきん
易しすぎる狼
お互いが強く想うほど
全てが全て壊れていく
幸せな時間は長く無い
そう知ってなお
二人は笑う
「そろそろ終わりの時間だよ」
静かな声で狼が言った
「仕方がないんだ」
いつまでもこうしてはいられないんだ
涙ぐむ少女に狼は告げた
「早く僕を殺しにおいで」
二人で摘んだ花束は風に舞い飛んでいく
少女は急いで祖母の家へ
涙で濡れた瞳が見たのは
ベッドに横たわる黒き狼
少女は問う
台本通りに
「どうして お婆さんの耳はそんなに大きいの」
狼は応える
「それはね お前の声がよく聞こえるようにだよ」
「どうして お婆さんの目はそんなに大きいの」
「それはね お前のことがよく見えるようにだよ」
終わりの時は近づいて
「どうして お婆さんの口はそんなに大きいの」
願いを叶えるには失うものが大きすぎた
「それはね 」
”君と一緒に笑うためさ”
嗚呼、哀れな少女と狼の物語
二人が想いを叶えるにはあまりにも代償が大きすぎた
黒き恐い狼はいなくなり
物語は終わった
少女はこの中で何を思い
何を待つのか
次にやってくる赤ずきん
どうか黒き狼を愛さないで欲しい
どうか<幸せ>に物語を終えて欲しい
それだけを思って・・・
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