第三十三話 ねえ
走っている。
荒れ屋敷の広がる一帯を、ふたりきりで。
――レン。
あんたは本当にこれでいいの?
おりんは、どうなってもいいの?
このままだと……おんなじだよ……。
「……レン……」
息はもう既に荒いけど、一生懸命に前を走るレンに呼び掛けた。
あたしの手を、痛いほどに握りながら走っている。
ねえ。
答えて。
「レン……ッ」
それでも、答えてくれない。
ただ、前を見たまま只管に走っている。
「――レンッッ!!!」
彼は静かに走るのをやめた。
それでもこっちに顔は向けない。
知ってるよ。隠そうとしたって、無駄なんだから。
「泣いてんでしょ」
「……ないて、ない、よ……。なに、言ってるんだい……ぐみ……」
嘘。
泣いてる。
「ねえ。本当に、これでいいの……?」
「おりんさんがそれを望んだ。私にはそうするしかできない」
「だって、こんなの……いいの?」
「なにがだい」
「このままだと、また、レンは失くしちゃうよ。レンの、大切な人」
「そうだね」
「好きならっ……なにがなんでも守りなよッ!!」
「それでも」
レンはやっとあたしに顔を向けた。
あの日のような、少し違うような。
はじめて観る顔で、言った。
「奉公先の、お嬢さんなんだ」
そんなの。
気にしないで、突き進んで。
この雪の意味を、知る前に。
あのこと、逃げて、なにがなんでも。
でも、それをしないのなら――。
「レン」
あたしは、静かに口を開いて、彼の名前を呼んだ。
「帰ろう」
そっと。
手を差し出した。
「ここで、あたしの血を吸って」
彼は、あたしが差し出した手のひらを、ずっと見ている。
「いっしょに、かえろ……?」
コメント1
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ご意見・ご感想
しるる
ご意見・ご感想
グミちゃんだって、色々辛いわけで……
でも、レンのことを考えるとというジレンマ
そうですね~
確かに一番長いですねw
次回作は、ぐだぐだやればいいのです←
2013/01/20 14:03:50
イズミ草
なんかいろいろジレンマが絡まってますねぇww
カラメルの好きですからww
こっちのほうがグダグダなりそうw
2013/01/20 14:11:06