雪が降ってきた。私はそれに気づくと、淡いオールドブルーの雲間を見上げ、吸い込まれるように見ていた。
「雪が降ってきたね。」
白い息を吐き、私は隣に立つ彼を見上げた。
「本当だ。」
寒さで赤くなった顔を笑顔で染め彼は私を見る。空から舞い降りて溶けてしまう雪に自分達を重ねて、悲しくなった。でも、今は彼と繋いだ手が、ただただ、優しく感じた。
『じゃあ、今日はもう遅いし帰ろうか。』そう言う彼を引き止めて、私達はホテルに宿をとった。
一晩の夢を過ごして、ずっとこのまま、私を強く抱きしめていてほしい、と願ってしまった。私は、あなたのことが好き。あなた以外の人なんて、視界に入らないくらい、あなたが好き。
だけど、私はある日、気づいてしまった。まだ付き合い始めたころは、どんな些細なことでも気に掛けてくれたあなた。どんな時でも愛情を感じていたのに、いつの間に、私達の間には距離ができたのだろう。私はあの時と変わらずあなたを想っているのに、あなたは私を見てはくれない。
今日もそう。あなたは『もう遅いから今日は帰ろう。』という。だけど、あなたがそういうたび、『行かないで』という言葉が、のどに出掛かる。そのたび、私はいつも『また、会えるよね?』と自分に問いかける。これを、あと何回繰り返せば私は楽になれるのかな?
でも、私はあなたを困らせたくはないから、この言葉を飲み込みます。
「もう、会えないんだ。」
彼が、不意に呟いた言葉。それが、私の心に深く突き刺さる。彼は、自分の勉強のため、渡米するという。まさか、そんな。だから、もう別れよう。急に突きつけられた事実。目の前が真っ白になる。何も言えない私の沈黙を、肯定ととったのか、彼は何も言わずに背を向ける。
――ああ、私の恋が終わってしまった。
私はいつも、あなたに迷惑をかけているばかりだったね。アメリカで、良い人を見つけてね。ねぇ、ただ一言、あなたに伝えることが許されるのなら、私はあなたに、『ごめんね』と、伝えたい。
あなたは会えないと言ったけれど、あなたへの想いは、この雪のように溶けることはないと、信じてる。あなただけをずっと、見つめています。
次に会うときは、もっともっと、笑えるのかな…。
深愛(完全に独白。)ちょっとシリアスめ。
タイトルに聞き覚えのある方はぜひお話しませんか?(笑)
書きたくなったの!(言い訳にならない言い訳)マジさーせんw
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