北回帰線 茹だる
なついあっつい日
クマゼミ ミンミン喧しい
ひと夏の記憶

自転車走らせ 坂の下まで
麦わらが 風に吹かれて
君の元へ飛んでった
見ない顔だねと そう言えば
大切な人に会いに来たと 笑ってた

白黒鯨幕
啜り泣く声と
近所で線香の
お葬式の香り

北回帰線 昇る
お天道様が
霊柩車を見送る人々に降り注ぐ
蝉の声 絶えず 耳をすませば
泣いている君の声聞こえた気がした

坂の下で会ったね 君が訪ねてきた
礼服が 痛々しくて
君の元へ駆け寄った
大切な人のことは聞けなくて
そっと握った大きな手が 悲しげだった

一昨日の正午
坂の下での事故は
とても不幸な
交通事故だったらしい

君が私を
そっと抱き寄せた
僕は平気さ
だから早く
天国へお行き

北回帰線 茹だる
なついあっつい日
その日のことを
私は思い出した

君が会いに来た 大切な人は
麦わらが似合う 初恋の人だった
ひと夏の記憶 途切れたまんま
蝉の声だけが耳に残っていた

遺影の顔は……
あの日死んだのは……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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夏の記憶

最後まで気が付かなかった女の子と、大切な人を失った男の子の話。という題材で作詞してみました。

閲覧数:180

投稿日:2016/09/12 23:34:33

文字数:450文字

カテゴリ:歌詞

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