「なぁ、グミヤってドコから来たんだよ??」
「遠いところから。」
「どこだよぉ~!」
-・・・何、アレ?わたしが寝てる間に何があったの??
目を大きくさせながら、クラスに馴染んでるグミヤを見ていた。
グミヤは、すっごく楽しそうだ。
「グミヤくん、カッコいいよね~♪」
「りっリン!?」
「いや~、ぐみ、あんな男の子と知り合いだったとはね~」
リンはわたしに顔を近づけて、顔をジロジロ見た。
全てを見透かされそうだった・・・。
「なっなに?」
「ねぇ、ぐみとグミヤくんってどういう関係?」
「どういうって?」
「彼氏とか?」
「えーーーーーーー!!!ないないっ!!」
わたしは必死にあり得ないアピールをした。リンは納得していない表情だったが諦めた様子だ。
「んもう、つまんないの~」
-アハハハハ(汗)
相手はヴァンパイアだし・・・と心の中で呟いた。まぁ、ヴァンパイアだからって相手にしないわけじゃないけど・・・・。
それから授業後、わたしとグミヤは校庭のベンチに座っていた。
「どう?クラスは。」
「まぁ、それなりに・・・・。」
-うわ~・・・もう会話終了だよ・・・・。
2人の間には、なぜか沈黙が通り過ぎる。そしてなぜか・・・寒い?
「ねぇ・・・なんか寒くない?」
「ウフフ、あたしのせいかしら?」
わたしが振り向いた直後、腕を掴まれ、わたしは身動きがとれなくなった。
わたしを掴んでる手が冷えている。
グミヤは、すごく驚いてるようだった。
「ミク・・・お前・・・なんで?」
「フフッ、わたしもここに来てたの。」
-ミク?
わたしを抑える腕がだんだんきつくなっていって、少し痛い・・・。
「雪女とヴァンパイアの血を引くお前が・・・どうして?」
「あたしは、この子の血が欲しかったの。」
-・・・わたしの?
「この子の血を飲めば、もっと力が手に入れられる!!」
わたしは意味が分からなかった。なぜわたしの血でそんな事が??
内心パニック状態だった。
「お前にぐみの血は飲ませない!!」
「フフフ、意気がってんじゃないわよっ!!やれるものならやってみなさい!!」
グミヤは、わたしの方へ一歩踏み出したら、ピタッと動きが止まった。
グミヤは驚きながら、体全身が震えていた。頬には汗が流れる。
「しまっ・・・・・。」
「フフッ・・・やっぱり・・・あなた血が不足してるのね。」
-血・・・・?
「この間に・・・」
--プスッ!!
「イタッ!!」
ミクというヴァンパイアの長い爪が腕に刺さり、血が流れ出した。
血は地面に向かってポタポタと流れる。
「フフフフフ、これであたしは最強のヴァンパイアになれるわっ!!」
勝利の叫びを上げる女と必死に動こうとするグミヤ・・・。
わたしは何もせずにジッとしているだけ・・・・。
わたしにも、何か出来ないだろうか??
そう思ったわたしは、掴まれていない片方の手の肘で女の腹を思いっきり殴った。
運がよく、女の腹のみぞに当たったらしい。
当たった直後、わたしを掴んでいた腕が緩みわたしは思いっきり走った。
「グミヤァーーー!!」
わたしはグミヤに抱きついた。少し涙が浮かんだ。
「大丈夫・・・か?」
「うん・・・。」
わたしが笑うとグミヤは突然地面に座り込んだ。わたしもつられて地面に座り込んだ。
グミヤの顔を見ると真っ青だ。体温も低くなってきている。
-もしかして・・・血が・・・
グミヤの体は震えていた。そんなグミヤを見てわたしは1つの覚悟を決めた。
「グミヤ・・・わたしの血を飲んで・・・。」
「えっ・・・?」
「お願い。」
「でもっ・・・・。」
わたしは強い眼差しでグミヤを見つめた。グミヤも何かを察したのか、もう何も言わなかった。
「ぐみ・・・痛かったら言えよ・・・。」
「うん・・・。」
グミヤはわたしを抱きしめて首に口を近づけた。グミヤの息が少し当たるたび、緊張してしまう。
するとグミヤはわたしの背中をさすって子供をあやすようにした。そんなグミヤの優しさで少し落ち着いた。
グミヤの唇が首に触れる。
最初はゾクッとした。でもそこまで拒絶したくなるような感じではなかった。
グミヤのひんやりとした唇が触れると心拍が高まった。
--プスッ!
-っつ・・・・
首に刺さった直後は痛みを感じたが、その後は痛みを感じなかった。
それどころか、何か悪いモノが抜けたように体が軽くなった。
グミヤの口が首から離れると、少し寂しい感覚に陥った。
傷跡から血が流れるのを見ると、グミヤはそこを優しく舐めた。傷跡をなぞるように・・・。
「あっ・・・・・」
わたしは思わず変な声を出してしまった・・・。
-しっ、しまった!!
案の定グミヤは不思議そうな顔をしていた。
「ぐみ?」
「いやっ・・・なんでもないのっ!!」
「そっか、なら良かった・・・。なにかあったらどうしようかと思った。」
グミヤの顔色は良くなっていた。ソレを見て少し安心した。
「さぁ、ミクをどうにかしなきゃ・・・。」
「うっ・・・うん。」
傷跡を押さえながら、グミヤの後ろに立った。
「血を・・・血をくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ミク・・・お前は責任をもって国につれてく!!」
「うるさーい!!あたしはっあたしはっ!!」
ミクは大きな爪をたてて、グミヤに向かって走った。
「国には、帰らない!!」
大きな爪を振り下ろした。ミクの顔は怖くて見てるとゾッとする。
-グミヤっ!!
グミヤはミクの腕を掴んで腹を殴った。
わたしがさっき殴った部分と同じだったらしく威力は大きかった。
「くそっ・・・・」
ミクは腹を押さえながらグミヤとわたしを睨んだ。
「ミクッ!!今ならまだ間に合う!!!ルカ様だって許してくれるはずだ!!」
「フンッ・・・そんなわけ・・・。」
「ミクッ!!ルカ様は心優しい人だっ!!お前だって分かってんだろ?」
「っ・・・・。」
ミクの長い爪は短くなっていき、少し涙を浮かべていた。グミヤも安心した表情だ。
「・・・グミヤあなたに話があるの・・・。」
「俺に・・・?」
「えぇ・・・だから2人きりにしてくれない?」
ミクは明らかにわたしに言ったようにみえた・・・。
-はいはい・・・邪魔者を消えますよ・・・・。
「あっ、じゃあ・・・わたし・・・向こうに行ってるから。」
「あぁ・・・。」
わたしは静かに2人から離れた。2人は真剣な顔で何か話しているようだった。
少し疎外感・・・・グミヤを初めて遠く感じた・・・。
「グミヤ・・・アノ子にいつ本当のことを言うの?」
「時が来たら・・・言うつもりだ。」
「まぁ、あたしは国に帰ってルカ様に謝ってくるけど・・・・・・あなた大丈夫なの?」
「・・・なにが?」
「あたしみたいな半純血のヴァンパイアいいけど・・・、あなたみたいな純血のヴァンパイアは、アノ子の血を吸えば・・・また飲みたくなる・・・なんていう禁断症状が出るって聞いたけど・・。」
「分かってる!!・・・・大丈夫だ・・・そんなことっ・・・。」
「まぁ・・いいわ・・。あっ、そうだ!あなたが探してるヴァンパイア・・・この学校にいるわよ。」
「えっ、誰だよっ!?」
「それは言えないわ。自分で探しなさい。じゃあね。また、会いましょう。」
「おいっ・・・・」
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ご意見・ご感想
紅華116@たまに活動。
ご意見・ご感想
グミの血を吸うのは私d←おい
グミヤが羨ましいwww
う~ん… ヴァンパイアは誰だろ…? 気になる!!
今回もすごく面白かったよ^^
2011/04/20 21:29:53
甘菜
>>紅華
じゃあ、グミヤよ・・・私の血を吸っ・・・・・←変態w
ヴァンパイアはね・・・・・@☆♯□☆♪だよwww
面白かったって言ってもらえて、嬉しいです☆
2011/04/20 21:43:52