【メルト・ダウン】

a
どうやって消えようかと考えてる
誰にも迷惑かけないような
残された誰かの重荷にならず
幸せな誰かの邪魔にもならず


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a
望んで生まれたわけじゃないから
自分の命なら安価に見えて
最期を選ぶのもさえ自由だ
僕ひとりの問題だ

a
だけど僕はわかっているつもりだ
この先も世界は廻り続ける
だから自分勝手に振る舞うのは
少し違う気がしたんだ

b
少し立ち止まる時間が欲しかっただけなのに虚しく流されて
甘えたい心が許されるそんな日々がものすごく嫌だった
今やり遂げるために立ち上がるためにここにいるんだよ僕は
でもそれすら出来ないなら目に見える場所に傷跡つけてしまえ

s
ひとりで片付けようと思った
不揃いで不安定な情緒が
簡単に痛みを怖がって結局何も出来なくて

どこかに逃げる場所を探しては
スマホ片手に痛い夢を見る
どうも容易にはいかないらしい
ただ絶えるそれだけのことなのに


a
たとえばひとりでうろうろ歩いてる
そんなときに突然後ろから
轢き倒してくれたら、なんてさ
無責任に思うんだ

a
だけど僕はわかっているつもりだ
誰にでも未来はやってくるから
誰かのせいにしてしまうのは
少し違う気がしたんだ

b
優しくされたかったそんな我儘を無視される度に疼いた
僕以外が認められていく世界にただ嫌気がさしたんだ
拗ねることもいじけることも素直には出来ないんだよ僕は
子どもみたいに駄々をこねて居られる君がただ羨ましかった

s
ひとりで捨ててしまおうと決めた
口を噤んで1歩外に出た
でも見つけられなかったんだ、ひとりで去る方法なんて

悲しむ人なんかいるのかなぁ
面倒事押し付けてしまうかなぁ
お節介な頭だけはまだ
「その後」のことだけを考えてる

c
散らかった部屋で思うのは
僕が生まれたときのこと
こんな不器用で無愛想な僕も確かに望まれて生まれたんだ
初めて酸素吸った瞬間
真っ赤になるまで泣き叫ぶ
照れくさくなるくらい自己愛に満ちて生まれてきたんだってこと

s
ひとりで消えてしまいたかった
誰の脳も瞼の裏からも
価値の無い記憶なんて消せる 便利な道具があればな…

s
ひとりで片付けようと思った
不揃いで不安定な情緒が
簡単に痛みを怖がって結局何も出来なくて

抱きとめてくれる声を探しては
スマホ片手に今日も夢に落ちる
どうも容易にはいかないらしい
ただ絶えるそれだけのことなのに

自分で選んだはずのことなのにー

a
どうやって消えようかと考えてた
誰にも迷惑かけないような
残された誰かの重荷にならず
幸せな誰かの邪魔にもならず