白い空に雪に 朧気な地平線
 冷たい残り香を 点す回廊

 人はとこしえを請い やがて刹那へと解される
 蜻蛉の夢の如く 鮮やかな色彩を残して

 銀(しろがね)の外套の下 一羽で朽ち果てるとき
 君の望んだ花びらを残せるのだろうか
 最期の吐息で溶かした 雪解け水を飲むのは
 名も知らぬ誰かであればいい


 風と雲の大河 幻を見るならば
 千切れ絶えた祈りを 浸し帰そう

 澱んだ産声に 金色の角を突き刺して
 覗くは在りし日に見た 壊れそうな硝子の憧憬

 銀に濡れそぼる裾 染みる身体を引き摺り
 埋(うず)もれた道をなぞりながら何処へ彷徨う
 裂けた喉から舞い落ちる 赤い炎はすぐに
 真白な視界に吹き消される


 銀の外套の下 一羽で朽ち果てるとき
 君の望んだ花びらを残せるのだろうか
 最期の吐息で溶かした 雪解け水を飲むのは
 名も知らぬ誰かであればいい

 出来れば君に似ていればいい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

雪下の香

あまり深く考えず
冬山とファンタジーのイメージで気の向くままに。

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投稿日:2008/05/28 20:00:15

文字数:406文字

カテゴリ:歌詞

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