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語り尽くされた言葉を繰り返して それでも足りず
最後は俯いたまま黙り込んで 静寂(しじま)に沈む
耳の傍をざわめき吹き抜ける流転(りゅうてん)に
塞いでも 起こりうる悲しみに変わりはない
巡る螺旋の一粒に 君の形見があるとすれば
祈りに作り替えて留めたい 流れ着いた星の砂
生まれ死...星影のかたち
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琥珀の境界線
沈む 沈む はねかえる
琥珀に染まるリンパ
ぽわり ぽわり 吐きだして
握力 イクツか 不確定なまま
急(せ)いて 潰されてしまうのも ひとつ
混濁して弾ける 輪郭を掻きまわされ
すべり落ちる均衡 アスファルトにはまあるい
水泡(みなわ)の痕
琥珀の層を超えて...気泡 -Tam A con-
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白い空に雪に 朧気な地平線
冷たい残り香を 点す回廊
人はとこしえを請い やがて刹那へと解される
蜻蛉の夢の如く 鮮やかな色彩を残して
銀(しろがね)の外套の下 一羽で朽ち果てるとき
君の望んだ花びらを残せるのだろうか
最期の吐息で溶かした 雪解け水を飲むのは
名も知らぬ誰かであれば...雪下の香
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テキーラに何を注ぐって
駆け引きじゃなくて本気なの?
私の目を良く見てよ ねぇ
逸らすのはやめて
もう少し一緒にいたいの
オレンジジュースに甘い夢
二人で夜を・・・ やっぱ言えない
伏し目で拗ねるの
優しい手のひらだけじゃ 切なさばかり増して
感じたい 喉が焼けるギリギリまで連れ...To the Sunrise
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白いパラフィン紙に眠っている 透石膏(セレナイト)のかけらを繋いで
月の優しい窓際に置いた 鉱石ラジオ
小さな箱に耳をくっつけて 銀色の砂を掴むように
ノイズを縫いながら辿り着いた 遠い周波数
宙(そら)から濡らすようにして 流れる柔らかな声はきっと
エンジェルアワー 独りの涙が受信したら
耐えられ...エンジェルアワー