桜色の髪を隠すように、いつもの黒装束についているフードを被る。
「女王陛下」
「・・・」
「これはこれは、暗殺部隊リーダーのルカ殿」
「・・・カムイ大臣殿、お久しぶりです」
頭を下げて挨拶をすると、彼はニッコリと微笑む。その妖しい微笑みの裏では、何を考えているのか分からない。私はそれが恐ろしい。
「女王陛下に何か御用ですか?」
彼の眼光が鋭く光る。
「依頼の件についてのご報告を申し上げに参りました」
「依頼?」
「はい。女王陛下からの直々の依頼です」
「そうですか・・・それは私が処理しましょう。こちらへ」
「いえ、女王陛下のプライベートに関わる事ですので」
「・・・そうですか・・・」
残念そうな表情の直後には、微笑みを浮かべる。
この人は、表情や感情を操作できる。
私は、それが恐ろしい。
感情を失ってしまっている女王陛下は、この人の恐ろしさに気付いていない。
「それでは、お話が終わるまでお待ちしましょう」
やっと彼の姿がなくなった。でも気配は近くでする。きっと何処かで聞き耳を立てている。だから私は必要以上に小さな声で、女王陛下に話しかける。
「お元気でしたか・・・リン」
「・・・」
返事をしない事は分かりきってる。
よく笑う子だったのに、両親の死を目の前で見てから、感情を閉じ込めてしまった。どうすれば話してくれるようになるのかしら。お願い、昔のリンに戻って。
「リン女王陛下・・・どうか・・・お気を付けて」
耳元で囁くと、静かにその場を去る。
傍に居てあげたい。でも、傍に居られない。だって、私は暗殺部隊のリーダーになってしまったのだから。志願した訳でもないのに。私は、リンの教師でいたかったのに。
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