第二十三話 純白と紅蓮

 「……どうしても行かないといけないんだ……グミ、だから……」


 ―――どんッ


 グミは僕の胸を思いっきり突き放し、僕はその衝撃で尻餅をついた。

 「ダメだよ、行っちゃ」

 「でも……このままじゃ……」

 グミは僕をまるで汚い虫でも見るような眼で、睨みつけてくる。
だって、このままじゃミクは死んじゃうんだよ?
あの綺麗な場所は――無くなるんだよ――?


 「駄目。あんたどれだけ親に迷惑と心配かけてると思ってるの? 毎日毎日。あたしもレンが幸せそうだったから言わなかったけど……このままじゃ駄目。絶対だめ」


 どうしてそんなこと言いきれるんだろう。
ミクは悪い人じゃない。
何年も雪を降らせたのは――昔の人じゃないか。

 ミクと昔の人は――違うのに――。


 「あんたが雪女の元へ行こうが行かまいが、結果は一緒。《白に染まりし地》は、もう一度――無くなる――」


 どうして無くならないといけないんだ。
ミクは何もしてないのに?
ただ外の世界が知りたかっただけで、とても寂しい人なのに……?


 思うばかりで、口からは出なかった。


 「たぶん、今日の夜にでも――動き出す」


 グミは、僕の前から退き、廊下の壁にもたれかかった。


 「あたし実はね。立ったまま寝られるっていう特技があるの。しらないでしょ? だからあまりの睡魔にあたしは立ったまま熟睡してしまったの。それで、レンのお母さんから頼まれてたレンの見張り役をほったらかしにしてた。どう? 面白いでしょ?」


 言っている意味が最初理解できなかった。

 でも、すぐにわかった。


 行って来いって、言ってくれてるんだ。グミは。




 「ありがと」




 グミにそうほほ笑んで、僕はもう一度、あの場所へと走り出した。



 もうすでに日は傾いている。
夜までに着いて、ミクを連れださないと。













 もう誰も届かない場所へ。

ライセンス

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ノンブラッディ

閲覧数:114

投稿日:2013/01/19 09:14:45

文字数:840文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    グミちゃん……この時、すでになら、くやしいだろうに……

    ミクちゃんが助かる可能性はありますか!?(・へ・。)

    2012/12/22 09:48:55

    • イズミ草

      イズミ草

      いやー流石に・・・・・w

      2012/12/22 17:02:57

  • Seagle0402

    Seagle0402

    ご意見・ご感想

    グミいい子ですね…
    そしてレン、誰も届かない場所って、はたしてどこなの!?

    2012/12/05 17:17:05

    • イズミ草

      イズミ草

      さてさてどこでしょうかw
      実は私もわかってな……コホン、それは秘密です!!

      2012/12/05 18:33:29

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