「じゃあレン君、いあちゃん、ゆかりん。家のことはたのんだぜ！」
「おーう」
「大丈夫です！」
「いろはさん、悪い男に捕まらないようにして下さい・・・」
こ、ここでも皆の心配放っていろはさんかよ。
まあ、いあさんらしいちゃらしいか。
「いってきまーす！」
そうしてすぅたち一行は、ちずさんの家に向かっていった。



【すぅ家・ちず家】ちず家訪問！番外編【お留守番組】




「・・・暇だー」
「ですわねー」
「なんか食べなーい？」
「朝飯さっき食べただろー」
「ゆかりんは部分的にお肉が欲しいんですのよきっと」
「なんだっていあ？もう一度言ってごらん？」
「きゃーレンさん助けてくださーい」
「うるさい」

賑やかな奴らはほとんどあっちにいったから、広い家で３人はかなり辛いものがあった。
ちなみにだが、キヨテル先生はまだ部屋にいる。
クソっ、なんでリンがあっち行ったのに俺行かなかったんだよー・・・。



「お早うございます」
それからざっくり３０分ぐらいだろうか。キヨテル先生がリュックを背負ってリビングに入ってきた。
・・・今日はいつもに増して軽装備な気がする。
「あ、せんせーおはよー」
「キヨテルさん、そのリュックの中身なんですのー？」
「これですかー・・・まあ、いろいろです」
そう言ってにこっとはにかむキヨテル先生。
俺には普通の笑みに見えるが、すぅ曰く「何か黒いこと考えてる顔」らしい。
あいつどんな思考回路してるんだ。



「レン君、ちょっと私の部屋に来てもらってもいいですか？」
「俺？」
・・・俺、なんか悪いことしたっけ・・・っていや、別に叱られるわけじゃないよな？
なんか先生に呼ばれる＝怒られるっていう思考なんだよな。


とりあえず指示通りキヨテル先生の部屋に行くと、なぜか後頭部を掴まれ・・・って痛ぇ！！！！！！！！
「ちょっギブギブ！何やってんすか！！！」
「あ、ごめんなさい」
「いやへらへら笑いながらやってんじゃないっすよ！」
キヨテル先生って・・・教員免許持ってるれっきとした教師だよな・・・。
確かLilyの元担任らしいし。


「これはちょっとした実験です」
そう陽気に話すキヨテル先生の手元には、黒いスマホ。
その画面には、猫耳フリフリロリータメイド姿のLilyが映っている。すぅが送りつけたんだろう。
「で、それと今の後頭部アタック(仮)にはなんの関わりが？」
「別に杞憂だといいんですが、王様ゲームとなると過激な命令もあるじゃないですか」
「心配しすぎじゃね！？」
別に大丈夫じゃ・・・と言いそうになって思いとどまる。
あっちのマスター、すぅに負けず劣らずの人って聞いたしな・・・。そいつの命令が一番やばい気がする。
リンの身の危険を感じる。大丈夫かなあリン。


「それじゃあ、出かけてきますね」
「どこ行くんですの？」
「ちょっとした旅に出てきます」
ストーカーだね分かります。
キヨテル先生は笑いながら、リュックを背負いちず家に向かった。



それから数時間後。
簡素な昼食を終え、俺はDIVAをやっていた。
やっぱリンちゃんマジ神だよ。
「・・・レン君、いあが疲労困憊なんだけど」
「知らないです今リンちゃんなうなんでこっちに話振らないでください」
くそっ、手が狂ってSAFEになっちゃったじゃないか・・・。
てかいあさんの疲労ってかなりの割合でいろは不足だろ、自分らでなんとかしろよめんどいなあ・・・。



「ただいまー」
あ、もう帰ってくる時間帯になったのか。
「いーろーはーさぁーーーーーん！！！！お帰りなさいませお体は大丈夫ですか！？」
「ああもううっさい離れろいあ！！」
本当にうるさいなあいつら・・・。
まあ俺もリンを出迎えに行くとするか。


「リーンお帰りー」
「レン！いい子にしてた？」
なんつー子ども扱い・・・でも大人リンちゃんも可愛いから許す！
・・・あれ？Lilyがやけにブルーだな。
リンがいても微動だにしないってかなりの重症・・・だよな・・・。
「・・・とりあえずLily、どうした？」
「あ、ああ・・・話すと長くなりますわよ？」
「Lilyにとってあそこは処刑場だったよな・・・」
るかさんとがくぽが顔を見合わせ・・・ようとしてるかさんがとっさにそっぽを向いた。
王様ゲーム、だよな・・・あとキヨテル先生とか。
「あ、Lilyさんは後で私の部屋に来てくださいね」
こいつ、追い討ち掛けやがった！！！


「そういえばさっき思ったんですけど、すぅさんは・・・」
キヨテル先生が辺りをきょろきょろしながら言う。
そういえば今日はかなりあ荘の方行くって行ったようｎ・・・キヨテル先生まだ寝てたわ。
伝えないで行ったのかあいつ・・・。
「かなりあ荘、とだけ言っておく」
「ひ、卑怯者！！」
がくぽの応答に悲痛な声でLilyが叫んだ。



「リーン！あっちの人たちに苛められなかった？」
「あぁー・・・特にないよ」
最近、リンが素っ気ないんだよなあ。
「それよりね！ロリっ子がめっちゃ出てきたんだって！！！」
キラキラお目めのリンに良かったね、と返す。
やっぱリンは可愛いのが一番だ！！


リンと談笑(というよりグミさんとの会話を聞いてた)してたら、ぐぅーと誰かのおなかがなる音がした。
「・・・あら、リンちゃんもうお腹すいたのー？」
「えへへ、これはお恥ずかしい」
そう言ってペロッと舌を出すリン。
全く、リンは可愛いなあ。
というか・・・今日の食事当番はなにしてるんだか。もう五時半だぞ。
・・・そんなこと考えてたら俺もお腹すいてきたなあ。
早くご飯食べさせろ！！