『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:27.5
氷川のデスクで芽衣子はこれから先の進路や受験の話を相談した後、職員室を後にした。外はもう日が沈んで相当暗くなっている。靴箱から正門に向かう途中で、
「メイっ」
「荒巻先生」
声をかけられ駆け寄ると、どうやら岳歩も今から家に帰るところだったらしい。辺りも暗く人気もないので寮まで送る事になった。
「先生車は? 」
「今車検。ったく不便で困る、今日は荷物だって多いのに」
「たまにはいいじゃないですか。動かないと太りますよ」
「あいにくと太りにくい体質でなぁ」
「世の女子を敵に回すつもりですか」
なので歩いて寮まで2人向かう。チョコは明日車検から戻ってくるのでその時持って帰るらしい。芽衣子は岳歩が手にしていた小さな袋に目がいった。
「ん、これか? 」
取り出されたのはCDで『愛レゲェ2』というものだった。部活顧問として一応のリサーチはしているらしい。そんな岳歩の意外な一面に芽衣子は軽く驚いた。櫂人や拍に聴いたらいいのにと思わなくもないが、何となく触れないでおいた。
「でも何でまたこのセレクトで? 」
「行事に乗っかってこれが店頭に置かれてたから。この『ジェラシー』ってやつと『陽のあたる場所』ってやつは意外と悪くはなかったな」
ケース裏を見るとオムニバスアルバムの為、色んなアーティストの名前が連なっていた。岳歩があげた曲は共に INFINITY 16 welcomez にセッションアーティストの名前が続いていた。
聴いてみろと言われ、そのまま借り受ける。やがて寮の前に着こうかという時に、
「・・・あれぇ、櫂人? 」
そこには寮に戻ったはずの櫂人が寮の方からこっちに向かって歩いてきていた。私服に着替えてる事もあって一度は部屋に戻ったらしいことが解った。
「メイ。久美にメールしたらまだ戻ってないって聞いたから」
「・・・? それで何で此処に居るのよ」
「外も暗いだろ。それにあと1個だけ受験するとこもあるんだし、気を付ける事に越したことないぞ」
状況から見て櫂人は芽衣子を心配してわざわざ足を運んだのだ。思いがけない出来事に芽衣子は内心よろこびが隠せないで、
「あはっ、心配にも程があるでしょ」
有難うと言葉を返して、芽衣子はうれしそうに笑った。
「・・・じゃぁ、オレは此処で」
「あ、はい。有り難う御座居ました。先生もお気を付けて」
「ん、じゃぁまたな」
踵を返すと岳歩はそのまま来た道を戻っていった。
「何、荒巻先生送ってくれたの」
「うん、理由はアンタと同じ」
「へぇ。先生って見た目と中身が違うよな」
「そうねぇ。前に久美が意外と面倒見がいいって言ってたけど、あながち嘘でもないのかもね」
「かもな」
それから2人は少しその場で他愛もない話をしてそれぞれの寮へと戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
拍と未来は留佳の荷運びの手伝いを終えた後、駅まで送ってもらい、そのついでに駅近くのファーストフード店でお茶をしていた。
「いっやぁー。似てたねー、お兄さん」
「留佳先輩も美人だけど、お兄さんも負けず劣らずの美人だったものね」
話題は先程まで会っていた留佳とその兄のことだった。留佳の実家は空手道場を営んでいると知っていた2人ではあるが、実際に目の当たりにすると留佳のルーツが見て解るだけに妙に納得と感心をしてしまった気持ちが強い。
「それにしても芽衣子先輩はなぁーーーんであそこで変に気を回すのかしらぁ」
「そこが先輩の良いところじゃない」
「だぁーけぇーどぉーさぁーぁ。あの雰囲気からして久美ちゃんずぇーーーったぁい告ってないよっ」
「卒業式までまだ少しあるし、タイミングは久美ちゃんが決めたらいいんじゃないかな」
「えぇえ~~~」
未だ納得がいかない声を出す未来を宥める拍。学校を出る際にチラリと帰る面々を見ていたらしい。その様子から察した未来は色々と気に入らないようだ。
「本当何で当人達が一番鈍いのかしら」
「当人達だからじゃないかな、むしろ」
「・・・かなぁ~」
「かもねぇ~」
そんな話をグダグダと続けながら、ガールズトークに花を咲かせる。漣から貰ったクッキーも話の魚に摘みながら「レンキュンは好いお嫁さんになれる!」と未来は太鼓判を押していた。
to be continued...
『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:27.5
原案者:七指P 様
お預かりした設定を元に書かせて頂いております。
拙いながらではありますが、楽しんで頂けたなら幸いです
そんな訳で文字数の関係で急遽なおまけ回構成になってしまったとても残念な分
「囚人と紙飛行機」でロロを初めて知ってから私の中で勝手にロロはルカとあまりに似てると解釈してしまっているため、私の脳内では兄はそいつです
でも多分原案者様のイメージは違うと思うので、私の印象は無視してください( ̄ω ̄
というか未だに「ロロって何?」なレベル
亜種とかさっぱりです、知ってるのは本当ヤマハとASHとクリプトンとインタネ社くらい
実は session:27 のつもりで打っていたこの回
ちょうどこの出始めから展開に困って一旦手が止まった時だったりする
その時ちょうど後輩から電話が来て少し付き合いながら、画面前で脳だけ動かしていたら
・・・あ、KAITO絡ませ・・・いやいやちょと待て
後輩にはとても申し訳ないが、好い息抜きになり会話の返事がおざなりになりました
ゴメン、本当ごめん
筆が乗ってたんだよ、まじでこの時
そんな後輩のおかげで出来た回だったりする、本当ごめんよ後輩
曲説明に関しては session:27 のあとがき(?)をご参照までにwww
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ガチですすいません。ネタ生かせなくてすいません。
今回は3ページと、比較的コンパクトにまとめることに成功しました。
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↓「前のバージョン」でページ送りです...【小説書いてみた】 神曲
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6.
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