A
今日も語り合った話を数えて
幾つの夜を越えただろうか
夜の帳の下 笑うあなたを
畏れてしまう
B
何処にもいけずに 何にも見えないまま
語る 語る 語る
S
そして 枯らしあった愛を投げたら
机の上で踊ろうか
別れの合図は夜が明けたら
スープを啜った
A
また今日も語り合って一夜通り過ぎた
幾つの話 残っただろうか
いつかこの手の中 尽きる笑顔を
畏れてしまう
B
「何処にも行かないの?」
「逃げればいいのに、ほら。」
語る 語る 語る
S
そして 枯らしあった愛を尽くそう
浮かんで消えるしじまの中
さよならの言葉はまだ要らない
空になったボウル
C
そうして千夜が過ぎて
私の手の中には 何も無い
さよならを言わなくちゃ
S'
目を開けると 笑顔があった
千夜 見飽きた顔だ
あなたは言ったんだ
「明日からは 僕が謳おう」
S
そして 枯らしあった愛は満ちて
切れかけた電球の上
別れの合図は 夜が明けたら
スープを掬った スプーンの上
浮かぶ私の顔 幾度見飽きた顔だ
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