放課後。
「リンちゃん~部活いこっ★」
ミクちゃんだ。
「う・・・うん」
あのカバンに入っていた包丁のせいで授業なんか覚えてなかった。
ノートももちろんとっていない。
私とミクちゃんは、階段をあがり、部室へ急いだ。
部室に着いた。
「軽音楽部」と書かれたプレートの下がったドアを開け、部室に入る。
とたんに楽器の音が廊下にあふれ出す。
私は背負っていたギターを下ろし、チューナーを取り出す。
ミクちゃんを含めたバンドメンバーのチューニングがあったところで、早速練習が始まった。
部活が終わり、いつもの交差点で私はミクちゃんと別れた。
一人になると、包丁のことを考えた。
アレはだれの血?なんで私のカバンに入っていたの?
ドアを開ける。
「おかえり」
ママの声。もう怒りは解けたらしい。
ただいまといいながら私は2階に上がる。
部屋にはいり、カバンを下ろす。
ラジオをつける。
「明日は1日中どんよりした天気が続くでしょう。明日の最高気温は・・・」
ふと気づくと、棚から写真立てが裏向きに転げ落ちていた。
私は写真立てを拾い上げた。
「キャッ」
写真立てをとり落とす。
家族の写真。
それには、愛おしそうに血のついた手で何回も触ったあとがついていた。
続
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