第三章
ミクたち三人は、ダーク・ストーンのあるヴォルケーノ火山へ向かって旅立ちました。
ルビィがミクに教えてくれます。
「女王の話だとダーク・ストーンは世の中の悲しみを集めてその力を増幅しているらしいの。
それがこの世界を闇で覆いつくそうとしてるのよ。」
ミクは言います。
「なんだか、その石ってすごーく暗いやつよね。なんで好き好んで人々の悲しみを集めたがるの?
石に会ったら聞いてみなきゃ。」
ルビィは
「多分、ネクラな石だから、答えてくれないと思うよ。」
と言いましt。ミクはうなづいて、
「そうね。歌を聞いて心を開いてもらいましょう。
ブリキンが、
「ボクもミクの歌聞きたいな。ずっとファンなんだよ。」
と言いました。
ミクは、ブリキンの頭をなでます。
「うん、今聞かせてあげる。」
そういうと、ミクは、風と木々のざわめきに合わせて歌い始めました。
風よ
道を教えて
僕たちは時に旅人
世界の希望を探してる
Wind & Wing
風の真実に耳をすまして
Wind & Wing
僕らの道は果てしなく続く
ミクたちは、ヴォルケーノ火山の近くまで来ました。
ヴォルケーノ火山には暗い雲が立ち込めています。
ミクたち三人は、ダーク・ストーンへ向かって歩いていきます。
ルビィが言います。
「ミク、もうすぐよ。」
ミクは、
「そうね。頭のかたい石に、歌の素晴らしさを伝えなきゃ。」
と言いました。
ブリキンが、
「ボクもブリキだけど、ミクのうたは大好きだよ。きっと、ダーク・ストーンもわかってくれるよ。」
と陽気に言います。
ルビィとミクも、ブリキンにうなづいて、
「そうよ、きっと伝わるわ。」
と言います。
ヴォルケーノ火山の頂上に着くと、火山の噴火口に巨大な石がはまり込んでいました。
ミクは石をポンポンとたたいて言いました。
「ちょっと大きいけど、かわいいところもあると思うわ。」
ルビィも、
「そうね、きっと大丈夫。」
と言います。
ブリキンは
「よかったね。今ミクが歌ってくれるから。」
と石に言います。
ミクは、
「それじゃ、歌うね!!」
と言って、歌い始めます。
今伝えたい言葉がある
ここはあまりにも暗くて
世界の終わりまで続く静けさ
Dark stone
闇をつくったのは誰?
あなたは夜のせいにする
Dark stone
とびらはいつも開かれてるよ
サンシャイン
私の歌
ミクの歌の途中で、しだいにあたりの雲が濃くなり、雨が降り、雷鳴がとどろきました。
ダーク・ストーンは黒く光り、そこから角をはやしたモンスターが出てきました。
ブリキンが言います。
「やっぱり石頭だよ。」
ルビィが大きな声で言います。
「モンスターよ!!ミク、歌は中断。
逃げなきゃ。」
ミクは
「でも...」
と、何か言いたそうに言います。
ルビィはまた大きな声を出して言います。
「逃げないと、あぶないんだから。」
ブリキンも声を張り上げます。
「逃げよう!!」
ミクは、ブリキンに、
「フラワーワールド一番の戦士なんでしょ。どうにかしてよー。」
と助けを求めます。
ブリキンは、
「フラワーワールドは、平和ボケしているからなんだよ。」
と真実を伝えます。
三人があたふたしていると、モンスターが数体、三人の方にやってきます。
その時、三人は石の声を聞きました。
「助けて、悪い夢から僕を助けて。」
ミクは、ルビィとブリキンに言います。
「聞こえた?」
ルビィが
「聞こえたわ。」
と言い、
ブリキンも
「聞こえた。」
と言いました。
ミクは
「石も苦しんでいるんだわ。」
と言います。
ルビィは、
「どうにかしたいけど、今は逃げなきゃ。」
と言って、ミクの手をひいて走り出します。
ブリキンもそれに続きます。
モンスターが迫ってきます。
三人がもう少しでモンスターに襲われそうな時、遠くから太鼓の音が聞こえ、弓矢がモンスターを倒しました。
ブリキンが
「助かった。」
と安堵の声をあげます。
遠くに黒い馬に乗った黒い鎧の戦士の集団が現れました。
ミクは言います。
「なにあれ?」
ルビィはミクに、
「夜の国の戦士だわ。夜が無事に訪れるために、世界を見まわってるのよ。」
と答えます。そして安心したように、
「もう大丈夫よ、ミク」
と、ミクに笑顔で笑いかけました。
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