それでは既に育ってしまった悪ノ華は、一体どうすればいいと言うのだろう?
外に放り出されれば、たちまち枯れてしまう。
……それなら、僕が“悪ノ華”を最後まで護る。
決して枯れぬように、いいように刈り取られてしまわぬように。
その為ならば、僕は悪にだってなってやる。
僕は、すぐに緑ノ国を滅ぼす準備をしに行った。
あの娘のことを想うと、涙が止まらなかった。
けれど、僕はこの手を数えきれぬ人々の血で染めた。
“緑ノ国が、黄の国に滅ぼされた。
その理由は、王女の嫉妬。ただ、それだけ。”
この知らせが、国中に広まるのにさほど時間は要らなかった。
そして、ついに国民達の怒りは爆発した様だった。
…無理もなかった。
王女のための楽園を維持するために、どれだけの雑草が犠牲になったことか。
だから、僕は国民達が革命軍を立ち上げたと聞いても、その姿が目前に見えても驚かなかった。
でも、大臣達は破綻した計画から逃げ出すのに必死だった。
自分が育ててきた華などには目もくれずに。
僕はあえて、彼らを止めなかった。
元より、リンのナイトは僕一人だ。
さぁ、行こう。
一人何も分からず震える、か弱き姫を護りに。
「レン…レン…、ど、どうなってるの?
何で、なんで…愚民達がここに居るの?」
リンの部屋に姿を現せば、予想通りに窓の外の景色に狼狽えるリンが居た。
僕は黙って近付いて、リンの頭を、宥めるように優しく撫でる。
「レン…。」
「……いい?リン。
僕が今から言うことを、よく聞いて。」
「……………。」
「今、リンを捕らえようと革命軍が動いてる。
…捕まれば、恐らく斬首刑だ。」
「…ざ、斬首刑…?!」
「…うん、それくらい国民達は怒ってる。
だから、だからね…リン。
君は、逃げて。僕の服を貸すから、今すぐに。」
「!!…やだ、嫌だ…。
それじゃ、レンが死んじゃ、死んじゃう…。」
リンが涙をぼろぼろ流して、必死に僕の身体にすがり付く。
本当はその涙を優しくすくって、今すぐ抱きしめてあげたい。
『…嘘だよ。二人で一緒に逃げよう。』
そう言えたなら、どれだけ良かっただろう。
でも、今はそんなことを考えている暇も、リンを諭す時間もない。
だから、僕は思いきりリンを突き飛ばした。
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