路地裏から漏れ伝わってくる声
偽物の振動がありふれた刃を突き立てる
大人しく逃げ出すなんて僕には無理だった
生い茂る草に肌を切られてくことすらも
至らないことがあったのなら謝ろう
けれど一度だって絶やすことのない笑顔
奥に秘めた残響の涙は何処へ連れて行く?
ダンスを踊るには僕の心は狭すぎるよ
くしゃみをふたつしたら駆け出して
待ち合わせなんかしなくていいからね
居そうな場所をいくつも追いかけてく
君はそこでくつろいでいてくれるかな
燃やして帳消しになるなら
太陽は何を訝ったんだって
屋根裏から割れ砕けている音
嘘つきの心象をカジラレタ鉋で削ぎ落とす
勇ましく飛び込むなんて僕には無理だった
噛み殺す息に夢を塗られていくことすらも
気付けないことがあったのなら許してよ
だけどひとつだって癒えることのない怪我を
そばに置いた羨望のバリアで何処にたどり着く?
スキップ跳ねるには僕のかかとは硬すぎるよ
あくびをみっつしたら踏み出して
持ち合わせなんか見なくていいからね
不審な箇所をいくつも問いかけてく
君はそこで微笑んでいてくれるかな
裸足で道化師になるなら
緞帳は何を消し去ったんだって
持ち場を忘れたみたいに立ってる案山子も
いつかはGPS片手にカラスを追いかけ回して
呆れた稲穂が笑うように波を作っていく
線路はずっと錆びたままで列車を待ち続けた
戦う猫は駐車場の真ん中で横たわり
目が合ったかと思えば誇らしげに傷を見せる
夏はどこまでも追いかけてきてはくれないのに
次第に早まる日暮れにまだ慣れていけない
次からはこれからは今からは明日からは
自分は一体何処にいると思ってるのかな
時間の境目をテープで塞ぐのには飽きたよ
剥がれた隙間から知らない誰かのため息
どれでも良いよって言われても選べない
どうでもいいよって言われても構わない
そうだといいねって言われても許せない
あの子がいいなって言われたら殴りたい
まばたきよっつしたらはみ出して
食べ合わせなんてなんでもいいからね
不満なキスをいくつも縫い閉じてく
君はそこで泣き止んでいてくれるかな
日増しに宝石になるなら
煩悩は何を躊躇ったんだって
君はまだそこにいるのかい?
かくれんぼはとっくに終わったのに
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